第7話 怪談!ゐヱ

小学校5年生の秋から、引越しすることとなった。


前の家より、もっと広い大きな家。

その家に入ったとき、

父がふと小声でいった。

「誰かがいる・・・」


でも、フッと子供達をみて、

「気にするな、なんでもない」

でも、今考えると、父は正しかった。

その日から、我が家におかしなことが続いておこった。


父の交通事故。

母が突然倒れて、頭にケガ。

兄弟達が、突然の高熱を出して倒れる。

そして、私。

2度の交通事故。

どちらも、第3者からみて、即死かと思われたのに、

かすり傷か、少し縫うだけにおわる。


家の中に入ると、誰かが歩き回る音がする。

そして、家の天井からは、

「ピシッ、ビシッ」

とラップ音の音がする。


ある日、悪夢をみた。

家に誰かが、住み着いている話しだった。

恐かった。


「ぎゃ~~~!!!」

恐ろしさのあまり、叫んだのは兄弟達だった。

ナント、兄弟達も、全く同じ夢を見ていたのだった。


ある日、テストの前徹夜をし、うたたねをしてしまった。

すると、誰かがモウレツに足をひっぱる。

兄弟の冗談ではない。

これはニンゲンの力ではなかった。

カラダが半分以上ひっぱられた。

全身がバキバキと、雑巾で絞られるような感じ。

骨が折れたかと思うほど、痛かった。

とっさに父から教えてもらった、魔よけの呪文をとなえた。

すると、すっと消えた。


「この家は絶対におかしい」

黙って聞いていた父も口を、重くひらいた。

「ウン。わしもそう思う」

兄弟達も、さすがに何かを感じるようになった。

一人母だけが、

「そう?

あんたたち、つかれているんじゃないの?」

と全く気にしない。


母は、ホントに何も感じないようだ。

ラップ音が、あれほど鳴っているのに。

何も聞こえないらしい。


次の日、母が真っ青になって話しを切り出した。

「それがね。近くのお寺できいてきたの。

この家のね。前の所有者のおじいさん。

ちょうど、ここで亡くなったんだって」


その場所は、筆者が足を引っ張られた和室であった。

やっぱり・・・・


「きっと、そのおじいさん。

自分が亡くなったことに、まだ気づいていないんだな」

と父がつぶやいた。


後日、御祓いをして、御札をはってもらった。

それ以来、不思議な現象はピタリとおさまった。


<おしまい>

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