第26話 モンゴル料理

 

 私は、食べたことのない外国の料理を食べるのが好きです。


 ヨコハマに居た時、駅の近くにモンゴル料理のお店がありました。

 ずっと気になっていたので、主人を誘い、長男と三人で思い切って行ってみました。


 店内に入ると、ゲル(モンゴルの遊牧生活で出てくるあのお家)の中のような内装になっていました。壁には弦楽器(スーホの白い馬の馬頭琴! だな、と思ったのですが違いました)がたてかけてあります。


 モンゴル感、満載! テンションがあがる私!


 お酒中心、喫煙OKのお店のようで子供が来そうなお店ではありませんでしたが、三歳の長男と主人とともに席に座ります。

 さあ、モンゴル料理とはどんなものでしょう。わくわくしてメニューを広げます。

 羊がメインであることは明白ですね。

 ジンギスカンだろうと思いこんでいましたが、どっこい、あれは実は日本の料理なのですよね。

 そんなものはメニューにありません。


 ちなみに私も主人も羊が大好きです。

 私に至っては、普通の焼肉よりジンギスカンの方がテンションがあがります。

 いくらでも食べられるのですよね。


 とりあえず長男が食べられるメニューを探さねば、と私はまず「モンゴル風うどん」を選択しました。

 それ以外はモンゴル風水餃子、サラダ。

 そして飲み物では気になる「モンゴル茶」を選択。

 主人は

「やっぱり、これを食べなきゃ意味がないんじゃねえ?」

 とメインに子羊の塩ゆで、を選びました。


 さて、運ばれてきたのはまず「モンゴル茶」。

 これがどんなものかといいますとね。

 温めた牛乳を黒茶で割ったものに、モンゴル岩塩が入っております。

 バターのような脂がぎらぎら浮いた白い液体を一口。

 うむ、これはこれでアリだな、と私はその瞬間思いました。

 ですが、三口めでギブアップ。かえってのどが渇きそうでしてね、続きませんでした。

 寒さ厳しいモンゴル。あちらの方はこれを飲んで体を温めてビタミンを補給していらっしゃるのですね。

(ちなみに私のSKY WORLDという作品でこのモンゴル茶を遊牧民国家キエスタの「キエスタ茶」として出させていただきました。主人公も三口と続かず)


 さあ、「モンゴルうどん」と「水餃子」が運ばれてきましたよ。

 うどんは、ベトナム料理のフォーに近いような感じでしたね。羊? 牛? でとったダシに醤油が入ってると思うのですが、これはアリ!

 食べたことない味でしたが美味しかったです。うどん大好きな長男も美味しいとペロリ。


 水餃子はロシア料理での「ぺルメニ」と同じでしたね。羊ミンチを餃子の皮に包んでゆでてあります。モチモチしておいしい。そして、餡にはニンニクが大量に利かせてあります。

 そう、ニンニク!

 この餃子を食べるときのタレも、後に来た子羊の塩ゆでにつけるタレも同じなのですが。

 醤油ベースですがこれもニンニクを利かせた美味しいタレです。このタレが美味しい。


 さて、メインの子羊が来ました!


「……え?」


 主人と私は固まりました。

 こ、この量を食べるんですか?


 メニューに三~四人前、とは書いてあったのですが、私も主人も大食いだしイケるだろうと軽く考えておりましてですね。

 どーん! 

 ここまでとは想定外。


 それから必死に子羊の塩ゆでと格闘した私と主人。(長男は飽きぎみ)

 美味しいのですよ。それに、羊の肉はおなかにたまらないことを皆さんご存知だと思います。

 ええ、しかし、それを上回る絶対的な量でありましてね。


 苦しさを覚えながら、私と主人で完食。

 アレは一般的な日本人が摂取する一生分の羊肉の量を完璧に超えておりましたね。

 どんなに羊が好きな私と主人でも、もう羊肉はしばらく見たくない、というところまできました。


 そして最後に、お店の方が衣装に着替えて(チャイナドレスの元になったモンゴルの民族衣装ですね)楽器を演奏してくださるのを見ました。

 なにやら物悲しい曲と、ダンスでもできそうな早い曲調の曲でした。

 大平原モンゴルに思いをはせる私。

 やっぱり、一度はモンゴルに行ってみたいですねえ。

 満足して帰りについた私たちなのでした。



 このように、ギリシャ料理、やペルー料理、などなど気になったお店にはつい入ってしまう私ですが。

 ずっと気になっているのですが、いまだ行っていないお店があります。


 それは ゲテモノ料理 の店。(キエスタ東部の料理、ですね)


 噂には聞いているけど、はたしてどんなものなのか。

 どうやら蜘蛛はチョコレートのようなお味だとか。

 主人も付き合ってはくれるというので、いつか行ってみたいですね。

 そのときは詳細を報告したいと思います。


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