第4話ホラー
最近、ホラー(サスペンスホラー)を一作、書いた私なのですが。
それにあたって、今までに一番自分が怖かったことはなんだったかな、と考えてみました。
実は私、幽霊は一度だけ見たことがあります。8歳の時、自宅の庭にある池のほとりで男の子を見ました。その日は、ちょうど私と同じ8歳の時に、池に落ちて溺死してしまった私の叔父の命日。
叔父が家に帰ってきたのでしょうね。
やはり幽霊らしく、顔は青緑に光っていて目撃した瞬間、ドキッとして家の中に飛んで帰りました。
私には霊感がそんなに強くないのか幽霊見たのはそれきりですけれども、だから私は幽霊の存在を信じております。
また、私の母が霊感の強い人でしてね。母は子供の頃から当たり前に幽霊を見てきた人ですので、そんな母に育てられた私は幽霊は居て当たり前のもの、という感覚でおりました。
でも、一番怖かったのはその時ではありません。それに比べたら、以前事故に遭った時の方がはるかに怖かったです。
しかし、事故が一番怖かったのでもありません。
私が一番怖かったのは。
昔、私の姉にある「問題」を出された時、です。
大学生の姉が連休に帰省したときに、私ともう一人の姉に問題を出しました。
心理学を専攻している先輩から教えてもらった話だそうです。
その問題には、ある
連続殺人犯の犯人などは決まってその回答をするのだそうです。
自分が連続殺人犯のような異常心理のケがあるかどうかチェック、なんて。ちょっと怖いですが、ドキドキしながらその問題に応じました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、紹介しますね。もしご存知でない方はチャレンジしてください。理由つきの回答をしてくださいね。理由が一番大事。
問題
ある家にお父さん、お母さん、姉、妹の四人家族が居ました。
あるとき、お母さんが死んでしまいました。
お母さんのお葬式に、ある男の人が来ました。
妹はその男の人に一目惚れしてしまいました。男の人は、姉の知人の人でした。
それからしばらくして。
今度は姉が殺されました。
さて、犯人は誰でしょう?
問題を出された私と姉は考えていろんな答えを出しましたね。
姉と妹は血が繋がっていなくて(連れ子同士の再婚だった)、父と妹が共謀で母と姉を殺害したとか(保険金目当て)。
お母さんが死んだのは姉のせいであることが分かり、逆上した父と妹が姉を手をかけたとか。
問題を出された姉と私は他にも思いつく限りの答えを出したのですが、どれも正解? の回答ではなかったのです。
あきらめた私たちは、正解を求めました。
さて。正解は。
正解
犯人は妹。その男の人に会えるから。
私は一瞬、何を言ってるか意味が分からなかったのですよ。
しかし、その数秒後。
その思考回路が理解できた瞬間。
今までの人生で一番心底ゾッとしました。
姉が死ぬ イコール 姉の知人である男の人とは姉のお葬式で絶対に会えるから。
この話のミソは、姉と男性の関係は恋愛関係などではなく、本当の知人程度だったということです。
多数の人は、それなら姉に男性のことを聞けばいいのに、と思うでしょう。しかし妹は内向的で姉に男性のことを聞く勇気もなかったのです。
どうしてももう一度会いたい→姉が死ねば、葬式にあの人が来てくれる(私が一番ゾッとしたのはココ)
なんて、シンプルで利己的な子供のような考え方。
(男性のことを姉に聞く行動力はなくても、姉を殺害する行動力はあるというこの矛盾)
そして妹は男性と再会を果たしても、おそらくその男性とどうこうなろうという行動は起こせないのです。
ただ一目、男性に会いたいがために、姉を殺した妹。
某幼女連続殺人犯は、その答えを即答したとか。
嘘か本当か分かりませんが。
私の感覚では逆立ちしたって出てこない答えです。
そんなの答える人、本当におるんかい、て私と姉が言ったら。
問題を出した姉は、実は一人いた、と答えました。
姉がサークルのみんなといるときにその問題を先輩から出されてワイワイと面白がって答えていたら、後輩の一人の子が笑いながらその答えと理由を言ったんだそうです。
その瞬間、周囲はシン、として。
問題を出した先輩が、正解、と。
答えた後輩の子は、パニックを起こして泣いてしまったとか。――
まあ、これも確率の問題かな、と思うのですよ。
何人かに一人は絶対に答えてしまう人がいると思うのですよね。異常な心理の持ち主であるかどうかにかかわらず。
それでも私はなんだか怖くて、身近な人にはこの問題を出していません。
ですが、今このエッセイを読んでくださった方の中で。
何人かの方は正解の回答を出された方が居るのかもしれないな、なんてことを考えると。
少し、ヒヤリとします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます