円谷のノート その1

結婚や出産に関する特別措置法(通称:独身税法)骨子


独身税法は減少を続ける人口と縮小続ける日本経済を問題視し、その対策として導入された法律である。独身者へ「独身歴に累進的な税を課す」ことで結婚によるメリットを増大させると同時に、徴収した税は主に結婚や育児にかかる費用のために補助金として支出する、各児童保護施設や学校の建設と維持に活用するという狙いがある。


人権上の問題などはあったが日本国消滅の危機に際して当時の選挙では異例の投票率、そして賛成率を挙げた。しかし反対派も根強くあり、今も一定の議席を占める「青鞜派」は先の選挙から生まれ、主に未婚の女性が支持をしている。


独身者はその独身歴によって課税額が変化することは先に述べた通りである。具体的には男女ともに20歳を迎えた年から発生する(ただし学生はその限りではない)。初年度は年収の0.5%が徴収される。年収300万円を超えない限りは0.5%一律であるが、それを超えた場合3年目には1%、5年目には3%という次第で算術級数的に年率が上がっていく。40歳になると上昇は頭打ちとなり、40歳で1500万円以上の額面年収があるなら独身税は15%となりそれは退職まで維持される。


「独身税法」という名前により勘違いされやすいが、結婚をすればただちに税率が0%になり補助金を給付されるということではない。日本の労働力人口増大のために制定されたものであるからして、子供の有無によって給付額が変更される。子の居ない家庭においては多少の減税はされるものの0となることは無い。なお不妊治療技術は無料で受けられるが、それによっても治療できない場合の税額は0である。


世帯収入にもよるが子供を1人もうけることで夫婦に課される独身税は0となり、2人目以降が生まれた家庭においては補助金が支給されていくシステムになっている。これらの副次的な産物として非嫡出児の認知が増えたこと(認知によって税率の減額が見込める)などがある。


施行直後は実態のない夫婦契約、偽装結婚が横行し社会問題となった。子は成さずとも一応の減税は見込めるためである。更に独身者の支出の減少による景気の低迷なども問題が発生した。しかし行き詰まり掛けた独身税法を軌道に乗せたのはいわゆる「VR特需」であった。景気変動にはともかく偽装結婚にまでVRが寄与したことに関しては政府の英断が称えられている。これについてはまた詳しく調べて書き記すことになるだろう。

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