第6話 いざ、外へなのです
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総合善意点 78点
評価:B
おしい!日々の善行から良い結果が得られています!でも時々、発作的に悪いことをしていますね!
ムシャクシャしたからといって、物に当たるのは良くありません。腹が立った時には、何事も前向きに物事を捕らえることが重要です。日々の生活に心がけましょう!
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「おい、何か1点下がってるぞ! さっきまで、79点って書いてあったような……」
「あ、本当なのです。何か悪いことをしたのかもしれないのです! こういう時は、善意点履歴を見ると良いのです!」
「まさか、この紙は点数が変わる度に書き換えられるのか?」
「当然なのです! ちゃんと履歴も更新しているし、評価も変わるのです!」
「まいったいどういう理屈なんだよ……」
まか不思議な現象の数々にやれやれしつつ、テルオは善意点履歴欄を見つける。
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善意点履歴
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「おい! まさか、さっき机に穴を開けたことで、減点になったのか?」
「たぶん、そうなのです! 物をちゃんと大事にしないからなのです」
テルオの予想した通り思わぬ所で加点にも減点にもなっていた。
つまり、この加点と減点の仕組みが分かれば、天国行きも夢ではない。
「サナエルちゃん! この点数基準とか載ってる場所はないか? 教えてくれ!」
サナエルは、「えーっと」と
「あ! あったのです! テルオ、ここなのです!」
「おお!本当か!」
そこには、加点と減点の一覧表が載っていた。ただ、あまりにも項目が多く、全部を把握することは不可能だと
「加点が、
適当に流し見た後、次のページへ進む。
「えーっと次は減点項目か、
テルオが、天国へ行く
「注意点があるのです! 善意点の加点は、基本的に上がりにくいように設定されているのです! 逆に減点は付きやすいように出来ているのです!」
「や、やっぱりそうなのか……」
サナエルは続ける。
「例えば、テルオが読んだゴミ回収点は、ゴミ袋1つにつき約0.1点、10袋分いっぱいに集めてようやく1点なのです!ちなみにゴミ回収点は一日0.1点以上上がらないのです!」
「マジかよ。じゃあ、今すぐに点数を上げたいって言っても無理なのか?」
「そういう訳ではないのです!」
テルオがガッカリすると、サナエルは首を振る。
「加点は、難易度によってすぐに上げることも出来るのです! 例えば、かえりみず命を救う点なんかは、自分の命をかえりみず他者の命を救う善意の象徴のような行為なのです! これがもっとも点数が多いのです!」
その変わり、自身の命がかかるということになるのだ。
「三階級特進みたいなものだな」
テルオが納得すると、さらにサナエルは続ける。
「それと、点数には振れ幅があるので注意するのです! 行いに対してのクオリティが、非常に良い場合は1点加点、悪い場合は1点減点となることがあるのです」
「振れ幅って……ああ、この
「たぶん、テルオが酔っぱらっていたからなのです。神様はちゃんと見ているのですよ!」
一息付いた所で、サナエルは尋ねる。
「それじゃあ、テルオ!
「いいや、大丈夫だ。何となく分かった気がするよ」
テルオは首を横に振ると、サナエルは満足そうに頷く。
「良かったのです! サナエルは役に立てたのですね!」
満面の笑みを浮かべる天使幼女に対して、テルオは話をまとめる。
「つまり、天国に行きたいなら、サナエルちゃんが言っていた
その答えに、サナエルはハッと気づいた表情で紙に計算式を書き出す。
「えっと……テルオの善意点が78点なので、78+20は……98……98-11は……はい! 87点で、何かハプニングあってもギリギリセーフになりそうな点数なのです! それと聞いて欲しいのですテルオ!
10の位の計算がこんなに早く完璧に出来たのですよ! 新記録なのです! 大天使様に報告すれば誉められるのです!」
「おーそうかそうかー、サナエルちゃんは頭が良いなー」
「えへへ~」
割と綺麗な字で書いた計算式をドヤ顔で見せつけるサナエルに、テルオは暗黒微笑を浮かべながら、間延びした返事を返す。
そして、彼はゆっくりと立ち上がる。
「テルオ? どうしたのです?」
野心のオーラを放つテルオに気づいたサナエルは首を傾げる。
「これから死にそうな人を捜して、命がけで助け出しに行くのさ! ついでに格好良く死……いや、天国に行く!」
「おお! テルオ! それは素晴らしい考えなのです!」
小さなガッツポーズを見せ、今までにない程のやる気を見せる。それにサナエルは乗ってくる。
「そうと決まれば、とりあえずコインランドリーに行って服を回収するぞ! そして、助けを求めてる人探しだ!」
「おー! なのです!」
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