噛んだだけ

「あちら」の世界から謎の船でやって来た「やつら」は次々と人々を洗脳していった。

 俺はそのことに気づき、命からがら逃げてきた。

 学校が見える。運動会か。のんきなものだ。

 しかし今はそののんきさが癒しになる。

 ここで少し休もう。

 ぼんやり眺めていると、男子学生が生徒集団の前に立ち、手を上げた。


「宣誓! 我々はスポーツマンシップに乗っ取られ――」


 なんてこった、こいつらも操られてやがる。もう手遅れだ。

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