二郎 in 一郎

 一郎さんの体を二つに割ると、中から一回り小さい二郎さんが出てくる。彼と一緒に飲むのが月一の楽しみだ。


「外に出してくれたお礼だ」


 そう言って二郎さんは奢ってくれる。一郎さんだと割り勘だ。


「あとで一郎に怒られるのは俺だから心配すんな」


 ジョッキを傾けながら二郎さんは豪快に笑う。

 そんな彼を、僕は男の中の男と呼んでいる。

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