蠱毒の作者

 私、ツイッターのクライアントはツイートデックを使っていて、検索枠にはカクヨムを入れてるんです。つまり常時『カクヨム』でサーチしているんですよ。と言う訳で、先日(※執筆時)目にしたその『カクヨム』検索のTLのつぶやきの中に『なろうやカクヨムは蠱毒だから』と言う内容のつぶやきが流れてきました。なるほど、蠱毒かぁとその時は何となく流したんですよね。


 皆さんは蠱毒ってご存知ですか? もう割と有名な呪いの方法ですが、要するに力のあるものを殺し合わせて最強の一匹を作り出すと言うものですね。呪いなので、その一匹も殺しちゃうんですが(汗)。


 なろうやカクヨムが蠱毒と言うのは、同じジャンルの作品で競い合わせてその中から最も支持されたものが書籍化と言うご褒美にありつける――と言う姿を揶揄したものだと思います。私はそう解釈しました。


 何故なろうやカクヨムが蠱毒に見えるのか。総合ランキングを見れば分かりますよね。トップに並んでいる作品がみんな似通っている。そりゃ蠱毒ですわ。人気作品を目指す人はみんな人気のジャンルの、人気の作風で書こうとする。その結果がアレなんですよね。


 確かに、人気上位の作品を真似れば多くの人が読んでくれるでしょう。ただし、そればかりになると飽きられた時に一気に離れられてしまう可能性があります。ジャンルの偏っているサイトは、だからすごく危うい気がするのですよね。

 とは言え、読者が偏るのは作者にはどうしようも出来ません。作者に出来る事があるとすれば、流行にとらわれずに色んなジャンルの面白い話を書く事です。なのですけどねぇ……。


 書き手が流行の話ばかり書くから読み手が偏るのか。読み手が偏っているから似たような話ばかりが読まれるのか。多分単純な話ではないのでしょう。過酷な蠱毒競争を勝ち抜いた作品は、それはそれで洗練された面白さを持っているはずです。そう考えると、必ずしも蠱毒が悪いとも言えない気もするんですよね。この競争社会、どこを見ても蠱毒的な側面はあるものですし。


 蠱毒が嫌なら戦わない事です。評価を気にしない事です。そう、PV0でも気にせずに書き続ける私のように。要するに意識次第なのかも知れません。

 蠱毒のトップを狙うのは精神的にも消耗しがちです。その激しい戦いに傷ついて創作自体をやめてしまう人もいる事でしょう。それは少し淋しいなと思います。


 あなたは何に執着してしまいますか? それはそんなに大事な事ですか? 創作とは競うものですか? どうか好きな事で病む事がありませんように。

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