説明過多は目が踊る

 ある自主企画である作品を読んでいた時に思ったのですが、その作品、設定が細かいのはいいとして、事あるごとに専門用語の説明や複雑な心理描写が頻出するんですよね。そのせいで話が全然進まない。その内に読むのが面倒になって内容が頭に入らなくなりました。


 その作品は話に凝りすぎたのか、物語の進行に直接関係のない部分の描写まで細かく細かく説明していました。用語の説明があったからそう言うエピソードもあるのかと思ったら、その場限りの描写だったり。


 作品を書く為に色々調べて物語にリアリティをもたせるのもいいですけど、学術書を読んでいるのではないのですから、説明は出来るだけ必要最低限にした方がいいと思うんですよね。

 少し話が進む度に専門用語とその解説が入るのはそう言うのが好きな人には魅力的だと思うのですが、そう言う人以外にはマイナス要素になってしまうのではないでしょうか。


 異世界ファンタジーにはそう言う展開をする話はあんまりないと思いますが、これがSFになるとポツポツとそう言う作品も出てきます。設定がキモなジャンルなのでこの傾向は当然なのかも知れません。


 私が読んだその作品はその読み辛さもあってか、星評価はひとつもついていませんでした。作者の人が自作の欠点について理解していればいいのですが……。


 もしかしたらこれがWEB小説でなかったら評価もまた違うものになったのかも知れません。普通に文章を読むだけでも疲労の溜まりやすいネット小説の場合、一番重要視すべきは作品の読みやすさです。

 凝りに凝った設定、説明せずにはいられない性分も個性のひとつではありますけど、向き不向きを考えて媒体に合わせた表現を工夫欲しいかなと思います。


 SFだからって魅せるのがうまい作品は読みにくさを感じさせる事なく、面白さを維持しながらしっかりと設定を読者に理解させる事に成功していますからね。

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