駄サイクルのワナ

 カクヨムでは書き手同士が交流しやすい仕組みになっていますよね。

 でもこれ、サイト開設当時からこうじゃなかったんですよ。応援コメントどころか近況ノートにすらコメント機能はなくて、相互交流は出来ない仕組みから始まりました。当時はレビューの感想を近況ノートに残すと言うのが唯一の交流だったんです。

 今でも交流の苦手な人の為に設定でコメント出来ない仕様に出来ますよね。あの全ての交流機能を止めた状態がカクヨム開始当初の状態だったんです。


 さて、今では交流上等となったカクヨムですが、交流が密になると当然起こってしまうのが傷の舐め合いです。多少読み辛くても面白くなくても身内びいきで高評価を付けてしまうんですね。相手が高評価を付けてくれるから、自分も同じく高評価をしてお返しする。

 仲間内での身内評価が蔓延する事で作者本人の技術向上は止まってしまいます。どう書いてもある程度の評価が得られるなら、そこでそれが自分の実力だと誤解してしまうんですよね。


 傷の舐め合いで低レベルのまま満足するサイクルを某作品では駄サイクルと呼んでいます。


 自分の趣味の範囲だ楽しむだけなら駄サイクルでもいいと思うんです。なあなあのレベルで身内だけで楽しむ。友達と遊ぶ感覚ですね。それもまた楽しいものです。


 ただし、もしその中にプロを目指す人がいるなら、そんなぬるま湯に浸かっていては一生プロにはなれないでしょう。作品の悪いところを遠慮なく指摘出来る、そう言う人が周りにいないといけません。


 駄サイクルにならない為には甘い評価の褒め合いだけの交流をしてはいけません。容赦ない厳しい意見の飛び交う中に身を置かなければ。交流するならお互いに良いところ悪いところを遠慮なく容赦なく指摘出来る関係でなくてはいけないんです。

 こう言う事を言ったら傷つくかな? と、気を使うようではね。甘い評価をつけ合う交流の中では多分プロは生まれません。


 カクヨム交流の中で自分の心地良い中に身を置いていつまでも同じ事の繰り返しになっていませんか? 身内に甘い評価をしていませんか? 作品を褒める事はあっても問題点を指摘していますか? もしくはそう言う環境に甘んじていませんか? 


 問題点の指摘とただの誹謗中傷は違います。冷静な問題点の指摘は本人の技術向上にきっと役に立つと思います。表現の好き嫌いとか物語の展開に対して気に入らないとかで個人的な感情を抱いてそのまま暴言を吐くのは許されませんけど、読んで感じた素直な感想はどんどんぶつけていいと思うんです。

 

 プロ志望の野望を持った方、カクヨムにはすごく多いと思います。そう言う人が駄サイクルにハマる事なく、日々技術向上を目指し、みんな一歩でも夢に近付いて行って欲しいと私は思います。

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