【基本形】【PW2+】2D分岐(分岐扉不要)


うれしい泣き声が、夜中の病院に響いた。

また一人、この世の人口が増加したんだ。

レキシに名を刻む者では、僕は無いかもしれないけれど。


なぜ、僕は頭が良くないのだろう?

やはり遺伝? 努力不足?

ミンナと同じ事ができず、襲いかかる劣等感。


そんなに気にするなと、クラスメイトは言う。

だがそれは、「出来る」人間だからそう思うんだ。

チキュウは僕らに平等ではない。


こんな僕にも、好きな人が出来た。

いつも優しくて、可愛くて、僕には高嶺の花だと思っていた。

ガツンと、後先考えずに、ぶつかってみた。


「はい」の返事を貰えるなんて、予想外すぎた。

じぶんのどこが、良かったのだろう?

まあいい。

リユウなんてともかく、僕は、初めて人に誇れるものを持てた気がした。


あの言葉を、告げる時が来た。

いつも行っている、海の見える公園で、僕は指輪を出しそびれた。

ニンゲンだもの、誰しもある葛藤。


かわる人間関係。

わかっていた、自分では届かないって。

リコン率が世間で騒がれているけど、ケッコンしなければ、それも出来ない。


この孤独と向き合うのが、人としての成長なんだ。

がんばれば、きっと、幸せになれる。

うそだ、そんなことは。

まろび寝を、自宅でずっとしながら、そう思う。

レイトショーでも見に行った方が、健全かもしれない。


やっぱり、このままではまずい。

がんばりが足りてない。

テレビを消して、僕は転職活動を始めた。


この新しい会社は、給料が安いけれど、自分の興味心が刺激される。

ニホンの凄い人達に取材して、それを本にするんだ。


みんな、本当に凄い人ばかりだ。

とにかく、僕の劣等感が刺激される。

らんらんとした目で、みんな、将来の夢をアツく語る。

レキシに名を残す人達と、僕は時間を共にしている。


「しななければ、何をしても大丈夫だ」

ス―パースターは、考え方の違いから生まれるんだそうだ。 


そんな人に、僕もなりたいと思った。

れんびんの目を向けられるのは、もう沢山だ。

ガッツが足りてないのが、ダメなんだ。


しっかりと今の課題を見据えて、課題を潰していく。

あれだけ僕を苦しめた劣等感は、前に進む力に変わった。

わからない事は、ぶつかって覚えればいいんだ。

セカイを次に変えるのは、この、僕だ!


<了>


パラレル・ワールズのタイプ:2D-pw2+


文字のタテ書き、ヨコ書きの2次元(2D)を使った、

2世界パラレルワールズ(pw)であり、

かつ、1つの文章塊で2世界を「同時(+)」表現する試み。


いわゆる、「タテ読み」という形で実装してみました。

(2文字目のタテ読みとかもやれば、次元数はいくらでも増やせますが、困難度が凄そう)


ワールズを分岐させる為のマジックワード(★の部分)は不要。そもそもヨコ書きとタテ書きとで世界が直交(独立)しているから。


このパラレルワールズ化は、他のメソッドと併用するのが難しそうな印象。

おそらく、タテ読みの方から先に世界を確定させて、それに合わせて横書きを記述するのがやりやすいと思う。 その意味で、1つの世界が、もう1つの世界を縛る。

(今度試す、ルビと本文とで別世界を描く「rubi-pw2+」タイプのパラレル・ワールズなら、その縛りが無いので、もっと作りやすいと予想される。)


今回は、タテ読みとヨコ読みとで、「別の形の幸せ」を表現してみたが、

例えば、ヨコ読みで「悲劇エンド」にしつつ、タテ読みで「その救済」のように、

悲劇を別ワールドで同時に救ってあげたり、その他、別ワールドを意識した作りにすることも可能と思われる。

この点は、他の基本形(dm-pw2等)でも同様と思われる。


追記:オイラは語彙が足りないですね(^^:) やりたい事ははっきりしているのに、それに相当するワードが出てこない。沢山書いて読んで、「練る」時間が必要。

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