パラレル・ワールズ

にぽっくめいきんぐ

8世界を同時表現する実験(★が分岐の扉)001

 アイツが必要だった。


 アイツが好き。

 まだ、アイツには告げていないけれど。


 逆にアイツは、こちらには、興味が無いようだけれど。

 アイツの心は、わからないけれど。


 突如、異世界への門が開き、アイツは門に吸い込まれた。

 あまりの出来事に、意識は、遠のいていった。


  ◆


 (★)気が付くと、私は横たわっていた。そして、独りだった。

 何が起こったのだろう?

 分からないまま、暗がりを先に進む。

 体が寒い。大分放置されていたらしい。


 暗がりを抜けると、大きな円形の空間があった。


 そこに、三人の賢者が現れた。

 私は、MAGIが何者かは、知っている。


 そう。MAGICの語源ともなった、三つの存在。

 異世界への門を開いたのは、MAGIに違いない。


 MAGIは私に語った。

 元の世界へ戻るための門を、再び開くには、「その、元の世界にいる存在」を想う事が必要なのだと、告げられた。


 私は、「その存在を知っている」と、MAGIに話した。


 MAGIが杖を降る。

 私の目の前で行われる、初めての、(★)MAGINGシーン。


 杖から出現した三つの光球は、合体して一つの大きな光球となった。

 光球は膨れ上がり、辺りを包んだ。


  ◆


 私は目を覚ました。

 そして、言の葉が発せられた。

「私にはあなたが、必要だったのです」


<了>

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