2.辻


ぴしゃがつく




外套の男でこう言いました。


“アア、ソウダ。アソコノ建物ガソウダ”

“俺ハ知ラナイ、朝多クノ人ガ入リ、夕ベニ出テクルダケダ”

“アマリ深ク調ベルナ、良イコトハ無イダロウ”



狐の襟巻きの女はこう言いました。


“アア、オニイサン、今日モ寒イワネ”

“エ?アタクシハ知リマセンワ、ソンナ事”

“イヤネ、黒イ頭巾ダナンテ、イヤヨイヤヨイヤヨ”



長靴の子供はこう言いました。


“アソコニハネ、オ願イニ行クノ、ユキチャンガソウ言ッテタ”

“ウウン、神サマジャナクテ、オバアサマニネ、オ願イスルノ”

“ボクハ知ラナイ、ユキチャンモ知ラナイッテ”

“ジャアネ、オジサン”



囲炉裏の老爺はこう言いました。


“オマエ、ソンナコトキクンジャナイ”

“ナニモナイ、ミナガ集ウダケダ”

“モウ帰レ、迷惑ダ。他所モノハコウダカライケナイ”




--------------------



“外套の男”“狐の襟巻きの女”

“長靴の子供”“囲炉裏の老爺”が上手から中央へ向かいます。

台詞をそれぞれ終えると、上手へ戻ります。


舞台の明かりが消えます。



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