デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章

 この作品は、『ビッグコミックスピリッツ』2014年22・23合併号から2022年13号まで連載されていた浅野いにお先生の漫画が原作の映画です。私は原作を未読なので、映画が原作通りなのかアレンジされてるのかは分かりません。

 ただ、話によると、後章はオリジナル展開になるみたいですね。原作は全100話の長編ですし、それを2本の映画で全て語ろうとするとそうなるのも仕方ないとも言えます。この辺りは、多分原作者も納得の上で話は進んだのだろうなと思います。


 映画は3月22日に公開しているのですけど、地元では今の時期にやっと封切られました。アニメをよく上映するユナイテッドシネマで上映されるかなと期待していたら、イオンシネマでの上映だったのは意表を突かれましたね。

 まぁでもそう言う事はあります。『鹿の王』や『かがみの孤城』もイオンシネマで観ましたし。


 話を映画本編に戻しますが、すっごい話でした。色々な要素が複雑に絡まり合っていて、一言で表現すると『すっごい』としか言えません。まず最初に宇宙からの侵略者的なものが突然現れるんですよね。そいつは何もしない。でも人間側は攻撃をしてしまう。そして大爆発。その影響が残る中、それから3年後の世界が物語のメイン舞台になっています。


 映画は大きく分けて2つの視点で進んでいて、少女2人の日常生活と、侵略者と自衛隊との戦いが描かれているんです。内の世界と外の世界ですね。そして、物語のキーとなるイソベやん。

 イソベやんはドラえもんオマージュの作品内作品なんですけど、映画の後半でものすごいシンクロをしてきます。この展開には本当にびっくりしました。私、原作未読でしたので。


 映画では原作の絵柄を忠実に再現していて、作画クオリティがむっちゃ高かったです。足の太い女子高生、いいね! 展開も色々と不穏だったり闇だったりと一筋縄では行きません。表面上は明るいのですけど、呆気なく悲劇が訪れたりもします。

 昨今の社会情勢を反映した描写も盛り盛りに盛り込まれていますし、何度も観てやっと消化出来る程の情報量になっていますね。


 この映画は主役2人が有名アーティストなのですけど、キャラにピッタリ合っていました。特にあのちゃん、いい。もっと様々な作品で声を当てて欲しい。この映画限りかも知れませんけど、むっちゃハマり役でした。イクラちゃんもとても良かったです。心配している人、全く問題ないですからねー。


 アニメのクオリティも文句なしです。本当素晴らしいです。観る価値アリです。この前章は静と動で言えば静。序章です。登場人物の説明を一通り終えて、力を溜めて終わりました。

 後章ではそれが一気に爆発する予感がします。むっちゃ楽しみです。映画の最後に予告が流れたのですけど、エヴァと違ってあの予告通りになるんだろうなあ。だってもう5月の末には上映されますからね。ま、地元での上映はいつになるのか分からんけど(汗)。時間がかかってもちゃんと上映はして欲しいなあ。絶対に上映してください! お願いします!


 この映画は原作ファンやSFが好きな人にオススメです。内容の半分は女子高生の日常モノなので、日常系が好きな人で不穏な展開に耐性がある人なら観ても大丈夫です。耐性のない人にはオススメ出来かねますけど……。


 私はとても楽しめました。後章もすごく楽しみです。イオンシネマさん、前章を公開したのですから、後章も必ず上映してくださいねっ!

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