ソウルフル・ワールド

 この映画はピクサーの3Dアニメ映画。2020年に劇場公開予定でしたが、例のアレで配信だけになっていました。それが、2024年になって期間限定で劇場公開されたんです。既に配信されていただけに、劇場で公開されてもあまり興行収入はよろしくないと言う淋しい結果になっているのだとか。

 私は未見だったので楽しく劇場で映画を観てきましたよっ。この上映は公開中止になった他の2作品と連続で上映されてたのですけど、そちらは上映時間の兼ね合いで観られませんでした。残念。『私ときどきレッサーパンダ』は観たかったなあ……。


 映画はまず短編映画の『夢追いウサギ』から始まるのですけど、ピクサーなのに2D作品でした。これは動物擬人化作品なのですけど、キャラデザインがすごく日本のアニメっぽいんですよね。ガンバの冒険みたいな。もしかしたら、日本のアニメのキャラを参考にしたのかも。

 物語は単純で、理想の家を作ろうとしたウサギが色々あって夢を叶えたと言うもの。キャラも感情豊かに生き生きと動いていましたし、何よりセリフの一切ない作風が良かったですね。


 で、本編なのですけど、この作品の予告では描写されていないシーンが本編にはたくさんあって、新鮮な気持ちで観られました。予告では本編のほんの一部しか見せてくれていなかったんですな。

 作品のテーマは生きる意味とか生きる目的とかそう言う哲学的でちょっと説教臭いもの。後はキリスト教的な世界観もベースになっているのかな。どうかな?


 あらすじを簡単に言えば、夢を掴みかけた主人公が死んじゃって、色々あって蘇ると言うもの。マンホールに落ちちゃうんですよね。それで死後の世界に行って逃げたところで、生まれる前の魂の教育係になるんですわ。主人公の担当が22番って問題児で、彼女(?)と一緒に生きる意味を探していくと言う話。


 詳しい感想を書くと結構ネタバレになるんですよねえ。もう配信されて3年は経ちますし、内容を知っている人も多いとは思いますけど……どこまで書いていいのやら(汗)。

 まとにかくですね、内容は深いです。22番が様々な体験をして、主人公も感化されて、改めて生きる意味を、目的を実感する。観終わった後、毎日を丁寧に生きようって思えるようになるような作品でした。


 もうすぐ(※執筆時)上映期間は終わると思うのですけど、観られるなら是非観て欲しい作品ですね。世界を救う話でもないですし、スケールは小さい地味な話ですけど、だからいいんですよね。

 ピクサー映画なのでクオリティは申し分ありません。吹き替えの声のイメージもピッタリでした。キャラデザは好みの問題もあるかもですけど。ちょっとリアル寄りかな。


 人生に疲れている人に、この内容は刺さるかなと言う気がします。ヒューマンドラマですからね、そう言う話が好きな人にもオススメかな。

 恋愛要素はないし、イケメンや美女も出てこないので、そう言う話が好きな人には向いていないかも。派手なバトルもないので、そう言うのを求める人にも向きません。


 私はとても楽しめました。劇場映画向きでないかも知れませんけど、こう言う内容の映画もいいですよねえ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る