ムーミンパパの思い出
この作品はムーミンの作者のトーベ・ヤンソン氏が生まれたフィンランドで製作されたムーミンのパペットアニメーション映画です。内容は原作小説シリーズの『ムーミンパパの思い出』を元に、ムーミンパパの若き日の冒険、個性的な仲間達との出会いや友情、ムーミンママとのなれそめなどを描いたもの。
日本語吹き替え版のキャストを『楽しいムーミン一家』オリジナルメンバーが演じているのも話題になりました。私もこれを知って観に行こうと思ったんです。
で、映画の出来なのですけど、やっぱり普通のアニメで見たかったなと思ってしまいましたね。パペットアニメのクオリティは素朴で微笑ましいものでしたけど、これが初の映画化ならともかく、既にムーミンのアニメを私は知っていますので。
映画を観ながら、私は脳内でムーミン一家の映像に変換して観ていましたよ。声は一緒ですからねえ。もし別のキャスティングだったら、こう言う現象は起こらなかったのかも知れません。
このストーリーでムーミン一家スタッフがアニメにしてくれないかなあ。なんて思うのは贅沢過ぎる願いですね。3DCG版ムーミンを見た時はそう言う事は思わなかったのですけど……。まぁ脳内変換で満足しとくかな。
物語はムーミンらしく結構シュールなんですよ。キャラの大きさもシーンごとに変わるし。普通のアニメだったら許されませんけど、パペットアニメだから許されるゆるさがこの作品にはあります。
一番のツッコミどころはミィ、お前一体いくつなんだよ! って言うね。映画を観た人なら誰もが感じると思います。まぁ細かい事は気にしちゃあダメですよね。
後は登場人物全ての台詞がいちいち詩的。日本の作品なら、こう言うセンスのある喋り方をするキャラがいたとしても1人か2人くらいでしょう。ですが、この作品では全キャラの言葉選びが洗練されているんですよ。
こんな台詞のやり取り、普通の日本人には出来ませんし、普通の日本人作家なら思い付けません。でも憧れます。楽しいムーミン一家でもある程度そう言うセリフはあった気がしますけど、この映画ではもっとセリフのクオリティが濃いですね。流石は本国制作です。素晴らしい!
この映画はムーミンファンや冒険モノの物語が好きな人にオススメです。童話の好きな人も楽しめるんじゃないかな。シュールが話が好きな人にも刺さりそう。
ただ、普通のアニメじゃないので、凝った作品が好きな人には向かないかな。結構いい加減なところもあるので、整合性を物語に求める人にも厳しい気がします。
私は割とのんきに楽しめました。ムーミン好きですし。ムーミン濃度は濃いので、濃いムーミン体験をしたい人は是非!
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