ブルバスター

 この作品は、カクヨムで連載中で2018年の12月27日に1巻が出版された中尾浩之先生原作、海老原誠二先生執筆の全3巻のSF小説が原作のアニメです。コミカライズもされておりますね。私は原作も漫画版も未読なので、アニメが原作通りなのかアレンジされているのかは分かりません。ごめんなさい。

 カクヨム作品ですし、ジャンルはラノベじゃないのかなあとも思うのですけど、ウィキだとSF小説と記載されているのでそれに習おうと思います。


 この作品、小説なのに原作と執筆が分かれている事でも分かる通り、カクヨム発とは言え、素人の人が書いた小説ではありません。原作の人は映画監督です。一番有名なのは『タイムスクープハンター シリーズ』でしょうか。この作品を見た人は少なくないと思います。

 その流れを知っていれば、アニメ化にも納得する人も多い事でしょう。


 この作品は凄くリアルな視点で描いたロボットモノです。それもあって、登場するロボットも現在既に開発されているロボットに近いものが採用されています。要するに、そんなにカッコよくはないです。

 既存のアニメで近いものと言えば、ザブングルに出てくる作業用ロボットでしょうか。パトレイバーに出てくるレイバーの方がまだかっこいいです。


 ロボットの戦う相手は謎のガスでモンスター化した巨獣。そいつらが出現したために住人が全員避難した龍眼島がバトルのメイン舞台になります。リアルさを売りにしているので、戦うにも予算との兼ね合いがシビアになると言う展開ですね。

 やりたい事は分かるんですけど、起こっている出来事に対して周りの反応が過小評価過ぎるのがどうにも納得出来ないんだなあ。


 予算がないのは害獣駆除分の予算しか出ていないから。駆除にロボットまで用意してそれはないやろとしか言えませんよね。後は折角駆除した巨獣を研究所に調べてもらっているのに所長がやる気なさ過ぎる。研究費を多く支払っていないと言うのが作中での理由なのですけど、ここまで異質な生物を前にビジネスライクな対応しかしないって変です。ちょっと調べるだけでも色々新発見がありそうなのに。


 リアル話と言う割にはシビアな展開にするために敢えて塩対応にさせているようにしか見えないんですよね。作劇的な理由でキャラを不幸にさせている。リアルでこんな状態になったら政府が動くでしょうよ。駆除予算だってもっと出ないとおかしい。特に序盤の流れには本当に納得がいきませんでした。


 騒ぎを大きくしない理由も作中で語られていますけど、巨獣みたいなのが出てきて政府が無関心なのはやっぱりおかしいですよ。巨獣を熊駆除の予算内で対処出来ちゃうってのが、そもそも良くないんじゃないかとも思うのですよね。それじゃあ利益が出ないのも当然です。

 日本人は上から指示されたら無理難題もこなしちゃうのがいいところでもあり悪いところだって話もありましたけど、この作品はそれを見事に描写していますね。


 そう言う訳で、物語の展開はとても地味です。売りになるはずの巨獣とのバトルですら地味です。メインは人間ドラマなので、それらは上手く描けていると思います。流石はプロの人の原作だぜ。


 アニメのクオリティは悪くないです。キャラ崩れもありませんし。展開が地味だからこそロボットアクションも丁寧に描かれていると感じます。アニメの出来に文句を言う人はそんなにいないんじゃないかな。


 この作品は原作ファンやお仕事モノアニメが好きな人にオススメです。キャラ原案が窪之内英策先生なので、氏のファンの人にもオススメ出来るかも。

 内容がロボモノかつ怪獣退治モノなのですけど、豪快に倒す話じゃないので、派手な展開が好きな人にはオススメ出来かねますね。


 私は毎週義務感で見ております。いや、終盤にかけては面白くなってきたなって思って見てますけど。序盤の展開が本当にキツかったです。何度切ろうと思った事か(汗)。

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