劇場版シティーハンター 天使の涙

 令和の時代に復活したシティーハンターを観てきました。ツッコミどころもたくさんありましたけど、作画クオリティは良かったです。流石は劇場用作品。それと、作中突っ込みハンマーでも描かれていましたけど、続編を作る気満々な展開で終わってましたね。既に構想が出来上がっているのなら、是非ともキャストが元気な内に話が進んで欲しいところです。


 この作品の大きなテーマのひとつが、サブタイトルにもなっている『天使の涙エンジェルダスト』なのですけど、これって原作では麻薬の名前だったのですね。原作を読んだのが遥か昔なので、すっかり記憶から抜け落ちてしまっていました。有難うネット百科事典。

 アニメのシティーハンターは、麻薬自体を出さないように自主規制しているのだそうです。その流れに乗っかって、この映画で登場するエンジェルダストも人間の潜在能力を高めるドーピング薬的なものに変わっています。使用シーンを思い出すと、確かに麻薬っぽかったですわ。


 シティーハンターと言えば前半の茶番と後半のシリアス展開なのですけど、今までにシリアスな作品を多く見てきたせいか、前半のしつこいくらいの茶番がちょっと精神的にキツかったです。まぁアレですね、複数回観れば慣れるのではないかとも思います。ファンの人からすれば、この茶番が楽しいのでしょうね。


 物語への突っ込みは、キャラの言動に一貫性が見られなかった事でしょうか。イキってる悪役は流石に一本筋が通っていたのですけど、今回のゲストヒロインが本当に情緒不安定で、何がしたかったのかよく分かりません。ミスリードを誘いたかった脚本の人の犠牲になってしまったのでしょうか? 物語あるあるです。

 ただ、一本でスッキリ収まる映画でそう言うテクニックを駆使しなくても……とも思うんですよね。でも整合性がおかしい脚本の映画って少なくないですからね。何なんでしょうね、アレ。


 突っ込みは他にもたくさんたくさんあるのですけど、そこに触れるとネタバレになるのでここでは書きません。ただ、そう言う突っ込みも含めてのシティーハンターなのかな。作風故にそう言う流れになったのかも知れません。よく分かりませんけど。

 勿論ちゃんとカッコいいところもあって、ラストのシリアスシーンとか、これぞシティーハンターって感じで良かったです。やはり悲劇要素があってこそのこの作品ですものね。


 最後にゲストキャラの扱いですけど、ルパンの登場シーンはメインキャラに全く絡まないので、本当におまけでした。他のゲストキャラも基本おまけでしたけど。お遊び要素ですな。

 流石にキャッツアイはむっちゃ絡んでましたけど、あの喫茶店のオーナーと言う事になったので、そりゃ深く関わりもしますわな。


 と言う訳で、この映画はファンの人なら楽しく観る事が出来るはずです。全くの初見の人は厳しいかな。多分この映画を観る人でそう言う人はあんまりいないとは思いますけど。

 私は普通に楽しみました。続編を匂わせて終わっているので、続きを作れるくらいにはヒットして欲しいなあ。

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