ゾン100 ~ゾンビになるまでにしたい100のこと~

 この作品は『月刊サンデーGX』2018年11月号から連載中の麻生羽呂先生原作、高田康太郎先生作画の漫画が原作のアニメです。私は原作未見ですので、アニメが原作通りなのかアレンジされているのかは分かりません。なのでそのあたりの指摘は出来ません。ごめんなさい。お約束ですね。

 このアニメは話題になった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の後番組になります。所謂『日5枠』ですね。この枠に相応しい作品になるべく、かなりクオリティの高い作品になっております。


 物語はゾンビモノです。他のゾンビモノと違うところは、主人公、いや、メインキャラ補正が強いと言うところでしょうか。他の人々は呆気なくゾンビ化するのに、メインキャラは全然平気ですし、住居が襲われると言う事もありません。ゾンビは舞台設定でしかない感じですね。

 この辺りの演出で好き嫌いが分かれそうな作風ではあると思います。つまり、そこまでシビアなゾンビモノではないんですよ。街中にゾンビが溢れているのにライフラインは正常ですからね。サバイバル要素が薄い……。


 主人公のアキラは超ブラック企業に勤めていて、ゾンビの増殖で会社の呪縛から開放されます。そしてゾンビがうろつく中で自分が本当にやりたかった事に邁進し始める――。と言うのがあらすじになります。

 アキラが底抜けに明るくて、ゾンビにもそんなにビビらずに笑いながら対処していくのが他のゾンビモノとの大きな違いかな。


 物語の目的が助かる事やゾンビ化を止める事ではなく『やりたい事をやり尽くす事』なので、もしかしたらやりたい事をやり尽くしたらアキラもゾンビになっちゃうのかも。分かりませんけど。

 このやりたい事リストは作中でどんどんクリアしていくので、それを見届けるのがこのアニメの楽しみ方と言う事になりますね。


 アニメのクオリティは高いです。流石日5枠を任されるだけはあります。キャラ崩れもないですし、アクションもグイグイ動きます。演出もアニメの特徴を生かした感じで、見ていて楽しい作風に合わせたものになっていますね。

 ゾンビモノらしいお約束展開も踏まえつつ、この作品らしい能天気さも味わえる作りになっています。


 この作品は原作ファンや今までと違うゾンビモノが見たかった人にオススメです。今までのゾンビモノと同じ展開を望む人には合わないかな。後、色々ご都合主義的な展開もあるので、そう言うのがダメな人にも向かない気がします。

 私は少しずつこの作風を楽しめるようになってきた感じですね。ゾンビは何らかのメタファーなんだと思って、アキラのように能天気に楽しもうと思います。

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