君たちはどう生きるか

 この夏話題の映画、宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』を早速観てきましたよー。この映画は一筋縄じゃいかないので、ウィキペディアとか解説動画を何個か見て自分の中で考えをまとめてから執筆画面に向かっております。

 この作品は監督が吉野源三郎先生の小説『君たちはどう生きるか』を読んでイメージを膨らませて出来た映画と言われていますよね。いくつかの解説動画を見たところ、映画の元ネタは他にもいくつかあるようです。私はそのどれも未見なので「そううだったんだぁ……」と言う感想しか抱けないんですけどね。無学で申し訳ない。


 映画は賛否両論になっていて、否定的な人は今までの宮崎映画を求めているからこそ評価が低くなったのだと思います。この作品は説明をかなり放棄した作品ですので。それを様々な角度から読み取ると「なるほど~」となる仕組みになっています。だからこそ、絶対的な正解がない作品とも言えます。

 宮崎映画はある時を境に説明セリフを極力排除する方向に向かいました。いや、初監督作品の『カリオストロの城』からその兆候はありましたよね。


 今作ではセリフ以外でも説明しないを採用した感じです。でもヒントとかは出ていますし、読み取ろうと思うと読み取れるんです。ただ、後で説明してくれるだろうと受け身になっていると、分からないままエンドロールを迎えてしまうんですね。

 話の筋が分からないとつまらないと思うのも当然で、だからと言ってつまらないから最悪だと言うのはそう言う楽しみ方しか出来ない人と言う事にもなります。


 いや別にアンチがいてもいいんです。ただまぁ観る前から最悪だと決めつけて観ず嫌いになって欲しくはないなと。とは言え、私にも観ず嫌いはあるので、お願いレベルなのですけど(汗)。

 お金を払うんですから、好きな人が楽しめばいいのですヨ。


 ここまで前フリになりましたが、何故長々と映画の評価について書いたかと言うと、ネタバレをしないようにしようとしているからです。具体的な感想を書くと全てネタバレになってしまいますから。

 言いたい事はたくさんあるんですけどね。面白いかどうかと聞かれたら、良かったですよ。そこは間違いはありません。宣伝がまったくないからこそどんな話なんだろうと期待しましたし、事前情報がないからこそ色々な意味で刺激がありましたから。


 映像のクオリティは高いですし、声優さんがプロ声優でないのも全然気になりませんでした。宮崎映画では今更ですしねえ。描かれるシーンにも面白い仕掛けがいくつもありました。

 そう、この映画は宮崎映画の総決算みたいな感じになっているんです。そこに気付くとそれだけでも楽しいですよ。


 この映画の一番の問題はタイトルなんですよね。コンセプトやキャッチコピーが『君たちはどう生きるか』なら問題ないんですよ。でもこれをタイトルにしちゃった。そうなると普通の人は説教臭い話かなと思って敬遠しちゃいます。

 映画の内容からタイトルを考えるなら、まだ『眞人(主人公の名前)と不思議の塔』の方がお客さんを呼べるんじゃないかなあ。ベタなタイトルですけど。


 この映画は、最初から最後まで分かりやすく説明してくれないと嫌だって人にはオススメ出来ません。映画を考察しながら観るぜって人にはとても魅力的に映る事でしょう。そう言う性質なので、ハマる人は何度も劇場に足を運ぶ作品になると思います。私も後一回は劇場に足を運ぼうと考えていますよ。

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