天国大魔境

 この先品は月刊アフタヌーン2018年3月号から連載が始まった石黒正数先生の漫画が原作のアニメです。私は原作を書店の試し読みで読んだ1話くらいしか読んでおりません。なので、アニメが原作通りなのかアレンジされているのかは分かりません。お約束ですな。

 先生の絵柄は知っているので、アニメの原作再現度が高いのはひと目で分かりました。流石はIG作品です。クオリティが鬼高いです。


 ストーリーはポストアポカリプス系ですね。大災害が発生して崩壊した日本を舞台に少年少女が謎を解きながら目的のために冒険を続けるロードムービー。この話の特徴は舞台が2つ用意されている事で、文明崩壊後の世界を旅する物語と同時に、謎の施設で飼いならされている子供達も描写されています。この謎の施設が本当に謎だらけで、アニメではその謎が次々に提示されている段階です。

 文明崩壊後の世界が舞台なので結構エグい表現とかもあったりして、その辺りも面白いです。普通に大麻とか出てきたりね。


 製作はプロダクションIG。この時点で分かる通り、クオリティが鬼です。今期は『鬼滅の刃』、『推しの子』、『水星の魔女』などクオリティの鬼高い作品が何作も放送されていますけど、この作品も同列に入ります。贅沢すぎんだろ……。毎週ただで見て良いクオリティじゃないです。有難や有難や。

 今期はクオリティの低い作品も放映されているので、その落差がすごいですね。天国大魔境はクオリティの高さと引き換えに配信がディズニープラス独占になってしまいました。そのため、落胆する声も多かったです。難しい話ですね。


 この作品を取り上げるためにネット辞書を参考にしたのですけど、割と日本神話の言葉が作中に取り入れられている事が分かりました。アニメ9話時点では謎の化け物を『ヒルコ』と呼ぶくらいでしたけど、謎の施設の会議室に日本神話のイザナギとイザナミの国生みの絵が飾ってあったりと、こう言う差別化はいいですね。好きです。

 作中にどこまで日本神話要素が出てくるのかはまだ分かりませんけど、分かる人には分かるレベルで描写されているといいな。


 この作品はただのポストアポカリプス作品ではありません。謎の化け物が出てきたり、謎施設には特殊な能力持ちの子供が集められていたりと、視聴者の心をくすぐる謎が多いんです。謎解きも面白いし、崩壊した世界で生きる人々の描写もリアルだし、アクションもスリル満点なんですよね。

 チート主人公の活躍する話じゃないのでバトルは常に真剣勝負。この一瞬の判断ミスが命取りって言う展開はいいね。手に汗握るね。とは言え、主人公も結構なチート持ちではあるんですけど。


 さっきも書いた通り、アニメのクオリティは尋常ではありません。すごく動くし、アングルや演出も一級品です。キャラ崩れもないし、怖かったり派手だったりの演出も見事です。アニメ好きならきっと感動する事間違いなし。

 今期アニメで一番を選ぶとしたら、私はこの作品の名前をまっさきに挙げますね。


 と言う訳で、この作品は原作ファンやSFが好きな人、謎の多いアクションものが好きな人、少年少女の冒険ロードムービーが好きな人にオススメです。

 作風的な意味で、日常系やノーストレスな作品が好きな人には向かないかな。


 私は毎週むっちゃ楽しみに見ています。毎回の驚きの展開に目が離せません。

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