スキップとローファー

 この作品は『月刊アフタヌーン』の2018年10月号から連載されている高松美咲先生の漫画が原作のアニメです。私は原作を未読なので、アニメが原作通りなのかアレンジされているのかは分かりません。お約束です。

 この作品はオリジナルアニメばかり作っているPAワークスの原作モノアニメ第2弾。最初に手掛けた原作モノの『パリピ孔明』はちょっとしたブームを作りましたよね。今回のスキローもとても出来の良い丁寧なアニメ化になっております。


 この作品を一言で表現すると『学園モノ』です。特に派手な出来事は起こりません。世界の危機も来ませんし、サスペンス的な事件も起こりませんし、全国優勝も狙いませんし、ドロドロの恋愛愛憎劇もありません。そう言う意味では日常系とも言えます。

 ただ、日常系と違うのは、しっかりとそれぞれのキャラクターが成長していっていると言うところです。日常系の作品は変わらない日常がメインなので、それらよりも前向きな展開が続くと言い換えてもいいでしょう。


 主人公は岩倉美津未と言う女の子。石川県の端っこから東京の進学校に首席で入学した天才少女です。頭はいいのですが、それ以外は天然の田舎者。顔も美少女と言うよりモブ顔です。だからいい。素直で愛嬌があって前向きな彼女が周りのクラスメイト達と仲良くなって、クラスメイト達と一緒に成長していく青春群像劇なんです。

 思春期特有のギスギスもほんのりあったり、恋愛的な展開もさらっとあったり。まぁ青春ですからねえ。進学校だけに学年が上がれば進路的な比重も大きくなると思いますけど、物語の始まりは高校1年生なのでお気楽に話は進んでいきます。


 キャラクターがみんないい子達ばかりなので、見ていて気持ちがいいんですよね。勿論中には家庭に問題のある子も出てきますけど、多分丁寧にその問題は解決されていくものと思います。この作風ですので。

 まぁ文系的な展開をする話ですよね。熱血とは無縁ですし、かと言って頑張っていない訳ではない。学校と言うイベントの多い空間で、やってくるイベントに真面目に向き合っている、そんな普通の学生達の日常が愛おしいと思える作品です。


 アニメのクオリティは高いです。キャラクターが崩れる事はありませんし、物語に流れる空気感、テンポもいい。声優さんの演技もバッチリだし、文句ひとつありません。原作ファンの人も納得のアニメになっているのではないでしょうか。

 OP、EDの雰囲気も良くて、特にOPの謎ダンスが青春していていいですね。


 この作品は原作ファンや学園モノが好きな人にオススです。見終わった後に心がスッキリするので心の癒やしを求めている人にも。

 学園モノと言っても、部活に励んだり何か目的に向かって頑張ると言う作風ではないので、そう言うのを求めている人にはオススメ出来ないかも。


 私は毎週楽しみに見ておりますよっ。こう言う学園生活を送りたかったぜ。

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