LUPIN ZERO
この作品はルパン三世の少年時代を描いたオリジナルアニメです。公式二次創作と言った感じでしょうか。ただし、ルパンの名前を冠するだけあって、そのこだわりはルパンマニアも納得の出来だったのではないでしょうか。全6話なのが勿体ないです。もっとヤングルパンと次元の活躍を見たかった。
この物語の中のルパン3世は中学生で、時代設定は1960年代。一応元ネタもあって、原作漫画の『少年ルパン編』がそれに当たるようです。だから完全オリジナルと言う訳でもないのですよね。当時の時代考証の精度が高くて、それだけでも見る価値はあります。
1960年代と言えば、創作物ですけどかなり何でもありな時代。少年探偵が自動車を運転してもいいし、バイクに乗るのも別にヘルメットはいりませんでした。シートベルトも必須じゃなかったんじゃないかな。
このルパンゼロでも、次元は中学生で銃はぶっ放すはタバコも吹かすわの不良少年です。作中でお酒もガバガバ飲みますしね。かなり攻めてきたなって思いましたよ。この描写、テレビ放送したらクレームがじゃんじゃん来た事でしょう。配信限定だからこそ出来た無茶です。
ルパン三世がルパン三世になるまでの物語なので、ルパンファミリーは次元しか出てきません。その次元もまだそこまでルパンと仲良くなっていないんですよね。それがどんどん親密になり、相棒になっていく。その過程が良かったです。破天荒すぎますけど。まぁ、そこがルパンらしいかな。
ルパンは子供の頃から天才で自由に生きています。物語の最初は泥棒になるつもりはなかったのに、次元との出会いやルパンの親族との関わりでやがて泥棒になる事を決意していく。その心情の変化の描き方も良かったですね。
このゼロではルパン一世と二世も出てきます。この父親と祖父によってルパンはルパン三世になっていくんです。今のルパンのキーアイテム、ワルサーP38をゲットしたエピソードはちょっと感動しましたねえ。あれ、公式設定なのか、アニメオリジナルなのかは分かりませんけど。
作中のルパン一世も二世もかなりの曲者&ツワモノで、流石はルパンの名を語るだけはあるなと感じました。
この作品の裏テーマは多分戦後で。戦後を象徴するエピソードが回を重ねるごとに濃くなっていくんですよね。アメリカ兵がまだ日本をウロウロして好き勝手していたりとか……。ラストの5~6話はOVA版パトレイバーの5~6話とシンクロしていましたねえ。
ルパン三世の熱心なファンからすれば賛否両論かも知れませんけど、私はすごく楽しめました。はい。
アニメのクオリティもルパンぽさ満載で良かったですね。特にOPEDが初期ルパンのものを使っていて、そこも痺れたなぁ。声優さんも良かったです。ルパンもひょうひょうとしながら少年ぽさもあって良かったのですけど、特に次元! むっちゃ次元です。武内さん、本家の次元が代替わりする時にそのまま次元出来ますよ。
後は、えーと。やっぱりこのヤングルパン&次元のエピソードがもっと見たかったな。2話みたいなやつ。OPだと様々な冒険をしてますけど、本編はすぐにクライマックスになっちゃいますからね。出来れば2クールで見たかった。それは無理でもせめて1クールは欲しかったですねえ。今後、二期とかあったらいいな。
と言う訳で、この作品はルパンファンの人や戦後日本を舞台にした作品が好きな人にオススメです。ルパンは好きだけどあんまり改変している感じの作品は苦手と言う人には向かないかも。後、中学生が飲酒喫煙銃撃とかを普通にやっているので、そう言う描写が嫌な人にも向かないかな。
私はとても楽しく見ていました。特にエンディングのアニメが好きです。
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