火狩りの王

 この作品は、日向理恵子先生執筆の小説が原作です。既に全5巻で完結しており、ラノベと違ってコミカライズはされておりません。とは言え、ジャンルはほぼ異世界ファンタジーです。チートはありませんけど。

 私は原作を未読なので、アニメが原作にどこまで充実なのかは分かりません。アレンジされているって事は、この作品のシリーズ構成と脚本を担当した押井守氏の発言で知っていますけど。


 そう、この作品の一番の売りは押井守氏がシリーズ構成と全ての脚本を担当していると言う事です。とは言え、原作物なのでキャラがいきなり聖書の一節を延々と喋り続けたりはしないのですけど(汗)。まぁ、原作を忠実に作らない事で有名な人ですので、アレンジは必然とも言えます。

 本人曰く、自分の好きな銃器を出した以外は忠実に脚本化しているのだとか。


 このアニメの特徴は、その独自の世界観とキャラデザインです。世界観は原作と押井守氏の功績が大きいと思います。そしてキャラデザイン。原作の挿絵は山田章博氏が担当しており、アニメでも氏の作風に寄せたデザインで展開しています。

 ですが、やはり山田章博氏の絵を動かすのは大変らしく、たまにキャラの動きがおかしくなります。これはキャラデザとは別次元の話かも知れませんけど。


 アニメはキャラの演技が大事ですが、派手なアクションをする時に動きが変になるのは敢えてそうしているのでしょうか? 私は味があって好きですけどね。それでいて、大事な場面には止め絵になり、そのクオリティは高いです。演出が独特なんですよね。

 演出が独特と言えば、この作品、場面転換のたびにキャラの名前が達筆で表示されます。名前の意味が大事な作品でもあるので、それを意識しての演出なのでしょうね。


 犬と一緒に凶暴な野生動物や化け物を倒す話なので、犬好きの人も楽しめる気がします。ちっちゃいチワワでも強いんですよっ。いつか負けちゃうんじゃないかと戦闘の度にヒヤヒヤもしちゃいますけど。

 後、遥か未来って設定の話ですけど、どこか古めかしい雰囲気もあって呪術も暗躍していて、その独自の世界観がいいです。それと、キャラの台詞回しが最高です。私もこう言う作品が書きたい……。


 原作は完結済みですけど、アニメではどこまで描写されるのでしょう。全5巻とは言え、ラノベとは違うので忠実にアニメ化したら完結まで描けないような気もしますし……。原作を知らないので、その辺りは毎回の放送を楽しみにしたいところです。


 前述のようにこのアニメは独自の雰囲気を作り出す事に成功していますが、キャラクターの動きの質に関してはへっぽこな部類です。もしかしたら円盤修正されるのかも知れませんけど。なので、アクションを重視して楽しむタイプの人には不評かも知れません。

 それに目をつぶって楽しめる人のための作品とも言えるでしょう。


 と言った感じで、このアニメは原作ファンの人や、独自の世界観の作品が好きな人にオススメです。アクションシーンのクオリティがそこまで高くないので、そう言うのが好きな人にはあまりオススメ出来ないかな。

 私はこう言う作風が割りと好みなので、毎回楽しく見ておりますよっ。

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