かがみの孤城

 この作品は2017年の5月にポプラ社から刊行された辻村深月先生執筆の小説が原作のアニメ映画です。原作は2021年の3月時点で累計発行部数100万部を突破していて、2018年の本屋大賞も受賞しています。

 そんな人気の原作ですけど、当然のように私は未読です。なので、映画が原作の通りなのか、アレンジされているのかは分かりません。よって、そう言う指摘は出来ません。ごめんなさい。ただ、ネット辞書の記述を読む限り、上映時間内に話を納めるためにカットしたシーンはあるっぽいですね。


 この作品の監督は原恵一監督で、制作はA1ピクチャーズです。A1と言えば、リコリコを作ったところですよね。なので、アニメの質は全く問題ありません。作画もアクションもとても良かったですよ。

 映画のあらすじは、不登校の主人公が鏡の中の城に導かれてそこで願いを叶えるために鍵を探す冒険を仲間と共にすると言うもの。特徴的なのは、鏡を使っての行き来が自由に出来ると言うところでしょうか。有り触れた異世界転移モノとはここが違いますよね。映画内で流れる時間も1年間と結構な長丁場です。


 映画のテーマは不登校の主人公が自分の中の問題を解決して成長していくと言うもの。テーマだけならありがちなやーつ。作中に散りばめられた伏線がどんどん明らかになっていく後半の展開が中々にすごかったですね。

 このエッセイの映画感想ははネタバレを禁止にしているので、詳しく語れないのがもどかしいところです。


 ひとつだけ大きなネタバレをすると、映画内では全ての謎が明かされる訳ではありません。とても大事な謎が明らかにならないままに終わってしまうのです。これって、原作では全て解明されているのでしょうか。この謎は見ている人それぞれが想像で補ってねと言う事なのでしょうか。

 原作未読なために、そこが結構気になってしまいます。もしかして、謎を知りたい人は原作を買って読んでねと言う壮大なステマなのかしら?(汗)


 詳細な感想を書こうとするとことごとくネタバレになるので、うまく書けないのがもどかしいところです。ネタバレなしに書ける事と言えば、この物語は優しい物語であると言う事。主人公が不登校になった原因とかは結構エグいのですけど、城に集まった仲間とは終始いい関係で。たまに空気が悪くなる事はあるものの、いつの間にか仲直りする感じです。

 城に集められた子供達はみんなどこか問題を抱えていて、だから仲良くなれるのでしょう。一人ひとりは孤独でも、そう言う子供達が集まれば孤独じゃない。いいですね。


 えーと、後書ける事は……主要キャラの声優さんは半分くらいが本業声優さんじゃありません。そう言うのを嫌う人は観る前から拒絶反応を起こしてしまうかも。でも観た感じ、棒読みな人はいなかったですよ。声優声優した演技が好きな人の感想は違うかもですけど。

 私は全然気になりませんでした。俳優さんや芸人さんが声を当てるのは普通に聞けます。普段演技をしない人が声を当てた時にうわあと思うくらいですね。


 人気原作の話だけあって、とてもいい話でした。なのですけど、私が映画館で観た時、お客さん私1人だったのですよね。冬休みに入って、映画の安い日で、更に11時からの上映だったのにも関わらず。もしかしたらエンドロールの時に出ていった人がいたのかもですけど……。

 この傾向は他の映画館ではどんな感じなのでしょう? 地元だけの現象だといいのですが。出来るだけ多くの人に観てもらいたい作品でした。

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