日々徒然趣味日記

惑星《ほし》のさみだれ

　この作品は『ヤングキングアワーズ』２００５年６月号から２０１０年１０月号にかけて連載されていた水上悟志先生の漫画が原作になります。原作終了間際にはかなり盛り上がっていた記憶がありますね。まぁ、私は原作未読なのですけど。

　今回のアニメ化以前にもアニメ化の話が持ち上がった事があったのだそうですけど、その時はうまくいかなかったみたいですね。水上悟志先生が関わったアニメ『プラネット・ウィズ』の評判が高かったので、アニメ化に辿り着けたのかも知れません。真相は知りませんけど。

　この作品、あらすじは悪い魔法使いから地球を守ると言うものなのですけど、それだけだと王道の話のように感じますよね。そのシンプルな筋書きから、かなりひねった物語が展開されていきます。

　何せ、地球に大きなビスケットハンマーが振り下ろされようとしているんですから。振り下ろされたら地球は壊滅します。このインパクトは大きかったですね。

　原作は名作との呼び声も高いのですけど、このアニメから聞こえてくる評価は散々なもの。何故なら、アニメのクオリティが微妙だからです。一部では作画崩壊アニメとも言われているみたいですけど、私は作画の崩壊はしていないと感じています。

　単純に見せ方が下手なんですよ。ＵＦＯテーブルクオリティみたいな贅沢は言いませんけど、キネマシトラスとかあの辺の作品レベルの――それも高望みかな（汗）。

　もしアクションシーンの見せ方がもっと上手ければ、評価はまた変わったのではないかと思います。キャラがキビキビ動いて、アングルやカメラワークがもっと派手派手だったら……。

　予算の関係かなぁ。それともいいスタッフを集められなかったのかなぁ。残念。

　物語の方も変化球で一筋縄では行きません。その独自性が新規の視聴者を戸惑わせたと言う可能性もあります。私も原作の盛り上がりと言う事前情報を知っていたから見続けているってところがありますからね。

　展開の特殊な作品はアニメ化も難しいのでしょうね。うまくハマれば大ヒットも不可能ではないですけど。賭けですかな。

　この作品は主人公のさみだれちゃんが、振り下ろされようとしているビスケットハンマーを破壊した後に自分で世界を破壊しようとしているんですよね。騎士になったトカゲの騎士の夕日もこの考えに賛同しているし……。

　きっと最終回までに心変わりするんだろうとは思うのですけど、そう思わないと見続けられませんよね。

　今回感想記事を書くにあたってネット辞書でこの作品を調べたのですけど、ムチャチャ情報量が多い……。『はたらく魔王さま！！』の時みたいに気力を使い果たしてまた寝てしまうところでした。危ない危ない。

　主人公側の騎士はたくさんいるのに敵の魔法使いのアニムスは１人だけだったり、襲ってくる泥人形はダサめのデザインだったり、騎士達の使う特殊能力の掌握領域は地味だったりと、まだ情報量が足りないだけなのか色々とちぐはぐな印象を持ちながら見続けています。う～ん、癖が強い。

　原作は完結していますし、全２４話っぽいので完結まで描いてくれるのかな。だとしたらファンには嬉しい話だと思います。

　この独自の作風が気に入っている人や、原作ファンでもこのクオリティに文句のない人にオススメです。普通の話が好きな人や、このクオリティに満足出来ない人にはオススメ出来ないかな。

　私は一度乗りかかった船なのでしっかり追いかけています。シリーズ構成に原作者の人が関わっているので、多分最終回まで見たら感動するはず。そうなって欲しいなと思いながら……。