機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

 この映画は機動戦士ガンダムのスピンオフみたいな作品ですね。TVアニメ版の話がベースと言うよりはザ・オリジンの話を元にしているようです。なので、話の流れこそ同名のTV版15話に沿っていますけど、色々と別物になっているみたいですね。

 私、TV版のガンダムの記憶がほぼないんです。見ていた気はするんですけどね。なので、この15話も全然記憶にありません。映画はその状態で鑑賞しました。


 あ、映画は6月の封切りだったのに何故8月のお盆に記事にしてるんだって思った人います? 地元では今(※執筆時)上映してるんですよォォォォ! それが田舎ってやつの常識なんだァァァ!

 でも上映してくれるだけでラッキーなんだぜ。上映されない映画の方が多いからな! 有難うユナイテッドシネマ!


 話を戻しましてね。感想を書くにあたってやはり元ネタのTV版の話も知らなければいけないだろうとネットで関連動画を探したんですよ。15話そのものは有料動画しか見つからなかったので、解説動画で復習しました。ぶっちゃけ、展開が分かればそれでいいですからね。

 普通の解説動画と岡田斗司夫氏の動画が見つかったので両方見ておきました。ふむふむ、なるほどねえ。


 TV版のドアンの島は、ファーストガンダムの中でも作画も話も変な作品として当時から有名だったみたいです。制作状況がかなり万策尽きていたみたいですね。そりゃ作り直したいと思っても不思議ではないかも。

 元々1話完結の外伝みたいな話を2時間の映画にした訳で、色々とスケールアップしております。そんな中で、最後のオチだけは一緒でした。


 この映画、作品としての完成度を高めるために色々と改変しております。なので、ドアンがTV版よりもかなりすごい経歴の人になってますし、作中ですごい仕事を1人で完遂しております。島で一緒に暮らす孤児の数も20人ですからね。TV版では4人くらいだったのかな? まぁTVアニメの場合、そのくらいがベストですよね。


 メインは島の生活描写ですけど、観る前はアムロと孤児達がすごく仲良くなるんだろうなと思っていたんですよ。そしたらあんまりそんな風にもならなくてびっくり。この手の展開の話では珍しいですよね。アムロの性格と、島の滞在期間が短かったせいなのですけど。

 後半では、アムロが島の役に立ったので受け入れられはします。映画の最後に別れがありますから、仲良くならない程度の方がいいのでしょうな。


 この映画、すごく説明不足です。描写はされますけど、台詞での補強がないんですよ。基本、描写は見せたからこれ以上説明しなくてもいいよねを貫いています。物語上で必要な最低限の台詞しかキャラは喋りません。

 例えば、子供達が戦災孤児なのは見たら分かりますけど、自分達は孤児でドアンに助けられたんだと言う台詞はありません。他にも語らずに描写だけのシーンがいくつもあります。

 説明しない演出と言えば、宮崎アニメが有名ですね。この映画はそれらと肩を並べるくらいの勢いなんですよ。ただ、描写はあるのでまだマシかも知れませんけど。


 この映画ではジオン軍側がシリアス担当で、連邦側がコメディ担当です。映画の冒頭こそジムがドアンザクにやられるシリアスシーンがありますが、映画後半のクライマックスシーンでの連邦のモビルスーツの活躍はガンダム以外あんまりかっこよくありません。特にスレッガー中尉の乗ったジムがね……。


 TVアニメ版でツッコミのあったシーンとか、映画では納得出来るものに改変されております。それがしたくてこの映画を作ったのかなと思ったり。

 完全に展開に不自然さがないかと言えば、ツッコミどころはやっぱりあったりはします。そこを語るとネタバレにもなるので、ここでは書きませんけどね。


 この映画、ガンダムも出ますけど、やはりメインはドアンです。ドアンがすごくかっこいいです。ガンダムファンにオススメとは言え、アムロがしっかり活躍しないと嫌だと言う人には向きませんね。ドアンの話が好きで、どう言う風に映画化されたのか気になる人にオススメです。

 私は話題性だけで観に行きましたけど、概ね満足いたしましたですよっ。

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