ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド

 この作品はアニメ以外にも漫画やゲーム展開もしているメディアミックス作品です。スタートが同時なので何が原作と言う訳でもなさそうですね。とは言え、アニメ単体で見るとああ、ゲーム原作作品だなと言う印象が強いです。それはゲームっぽい演出が多いのと、説明不足的な描写が多いからなんですナ。

 と言う訳で、私のこの作品の第一印象は「訳が分からないよ」でした。実は今でもよく分かっておりません(汗)。ずっと雰囲気で見ております。


 多分ですけど、この作品はメディア展開している全てを履修しないと完全に理解出来ない仕組みになっているのでしょうね。そう言う意味では商売上手とも言えますが、逆に言えば各作品に相応の魅力がなければコンボが上手く決まらないと言う弱点があります。

 そう言う観点で見ると、この作品の展開は失敗気味な気がします。このアニメ単体の魅力はそんなにありませんので。あ、個人の感想ですよ勿論。


 ではここからアニメ短編の感想に移ります。最初に書いておきますけど、私はアニメ以外の展開については何も知りません。漫画も読んでないし、ゲームも未プレイです。


 このアニメはクトゥルフ神話ベースのネタを取り込んだ、未知の世界への探索モノです。と言うと主人公が自分の意志で謎の世界を能動的に冒険する話かと思うじゃないですか。実態は上からの指令を淡々とこなす組織の下っ端が主人公の話なんですよね。この時点でもうワクワクはありません。メイドインアビスっぽい話かと思ってたのになぁ……。


 しかも主人公の性格がむっちゃフワフワしてるんですよ。これって言う強い特徴がない。ゲーム版の主人公も兼ねるなら仕方ないかなとも思うんですけど、アニメ版だけの主人公なんですよね。なのに、状況に流されるだけかーいって言う。

 話の流れも世界観もよく分からないまま、視聴者を置き去りにして話は強引に進んでいきます。ここもこの作品に馴染めない理由かな。


 話が終盤に進んでくると物語の本筋の話になっていくんですけど、それがエルシーと言う少女の暗殺なんですよね。何故暗殺しなくてはいけないのかの説明は現時点(※執筆時)ではありません。やがては説明されるのでしょうけど、謎を謎のままにしたいのかそれ以外の事もほぼ説明してくれていないんですよね。

 この暗殺を邪魔する敵の存在もどこの誰なのか、何故邪魔しているのかもよく分かりません。何だこれ~。


 アニメ的な面白さについても、バトルシーン自体はあるのですけど地味です。そこまで興奮しません。物語の進行と同じく淡々としているのですよね。主人公は話が進むにつれて実力をつけて行くのですけど、それもしれっとやっているのでカタルシスとは無縁です。あれ? いつの間に銃の命中率が上がったの? みたいな。


 と言う訳で、この作品を知らない人へのオススメは難しいです。アニメのクオリティも微妙ですし。総合的な平均点は低くないとは思うのですけど、作風と同じく淡々と描写されていると言う印象ですね。敢えてそうしているのかもですが。


 淡々とした作品が好きな人、説明不足でも気にしないと言う人にはオススメ出来るかも知れません。謎を引っ張るスタイルなので、その謎が気になった人は見続けられるかな。私もこのタイプです。

 いいところも少ないけど、ダメなところもないから惰性で見続ける感じですね。最終回まで見たらこの印象も変わるのかな? だといいのですが……。

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