月とライカと吸血姫
この作品は牧野圭祐先生執筆のラノベが原作になります。当然のように私は原作未読。なので、アニメと原作の比較は出来ません。なので原作との相違点などは分かりません。ごめんなさい。
ただ、アニメのシリーズ構成を原作者自らがやっているので、原作ファンにも不満の少ないようなアニメになっているのではないかと思います。
物語は宇宙開発モノですね。私がこの手の話で思い出すのはやっぱり『オネアミスの翼』です。オネアミスは名作でした……(遠い目)。オネアミスでは全く架空の星のまさにオリジナル文化での宇宙開発物語、初の宇宙飛行士の話でしたが、この作品ではモチーフが現実世界にかなり寄せてあります。現実世界にそっくりな世界観で吸血鬼を登場させ、人間に近い実験動物的な立ち位置で彼女を初の宇宙飛行士に仕立て上げるんですな。
この作品に出てくる吸血鬼は他の作品に出てくるような超人ではありません。人間の亜種的な立ち位置です。人間との違いと言えば、日光に弱くて生き物の血を吸う習慣があって耳の先がちょっと尖っているくらい。後、まぁ歯もちょっと犬歯が尖ってますか。そのくらいです。
当然のように人間側から迫害されて、次々に虐殺されていると言う設定ですね。
作品の舞台はソビエト連邦をモデルにしたツィルニトラ共和国連邦。宇宙開発でライカと言えばロケットに乗せられた実験犬の犬種の名前ですが、この作品では宇宙開発のために作られた秘密の街の名前になっています。
秘密主義と粛清の嵐が吹き荒れた世界で、若者達はそれでも宇宙に夢を託して訓練の日々を送っているんですね。史実でも最初の宇宙飛行士はソビエト側が達成したので、この展開はそのまんまとも言えますな。
実際の宇宙飛行士の歴史とこの物語がどこまでシンクロしているのか分かりませんけど、かなり寄せているのだろうなと勝手に推測しながら見ています。アニメでは吸血姫のイリナが実験を成功させて終わるのかと思ったらまだ話が続いていたのでちょっと驚きました。そこがゴールじゃなかったんですね。
ネット辞書を読んでしまったので先の展開も知ってしまいましたが、確かに1クールで語るならその先まで語らないとなーと納得したり。
この作品の一番の話題と言えば、やはりヒロインの声優さんが林原めぐみさんと言うところでしょうか。イマドキの若い声優さんじゃなくて大ベテランのめぐみさんを起用したのは、原作者のご指名とかそんなアレなのかなぁ? 最近の作品でめぐみさんがヒロインを演じたと言えばからくりサーカスのしろがねがありましたが、それ以来ですかね? からくりの時点でもかなり驚いたものでしたけど。
あ、シャーマンキングのアンナはリメイクで出来るだけ前のアニメの時の声優さんが続投と言う条件だったので別枠ね。
めぐみさんは流石の演技力で、しっかりイリナに命を吹き込んでくれています。まだまだヒロインいけますよね。今後もメインヒロインを演じる機会があるのかも。
アニメの質で言うと可もなく不可もなくレベルでしょうか。70点は取れてるかなと言う感じです。日常シーンの描写は問題ないのですが、ロケットの発射シーンなどの『ここには力を入れて欲しいな』ってシーンがちょっと演出不足で残念に感じたり(汗)。
比較がオネアミスの翼じゃあ、よっぽど凝らないとみすぼらしく見えてしまうのかも知れませんけどね。目が肥えてしまったのじゃよー。
アニメ開始直後は地味な作品かなーと思ってましたけど、宇宙開発モノであり、異種族間の融和の物語でもあり、共産主義国家の光と闇の物語でもあり、ラブコメでもあると言う結構ハイブリッドな作品でした。原作が『このライトノベルがすごい!』の2018年版で初登場ながら文庫部門第4位を受賞したと言うだけはありますね。
宇宙開発モノってそう言うジャンルがあるほどに人気ジャンルでもありますので、そう言う作品が好きな人にオススメです。後、林原めぐみさんのファンにも当然オススメ出来ますよね。ソビエトファンの人にも楽しめると思います。私も楽しく見ておりますよっ!
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