takt op.Destiny

 この作品の原作はDeNAと広井王子氏になっています。つまり、ゲーム原作モノですね。とは言え、ゲーム先行ではなく同時進行なので、ある意味オリジナルアニメと言った方がいいのかも知れません。今期もゲーム原作アニメがいくつか放送されていますけど、そこは元祖ゲーム原作アニメの仕掛け人の広井氏が関わっているだけあって、物語の完成度はピカイチですね。

 て言うか、ゲームのストーリーをなぞっただけで物語の流れが不自然な最近のゲーム原作アニメはちょっと反省してもらいたいところです(汗)。


 この作品はゲーム原作アニメにも関わらず、ゲーム原作だなと思わせるような強引な演出がほぼないのが良いですね。他のゲーム関連アニメはゲームが元ネタだなって分かる場合が多いのですが、この作品ではそう言うのがなかったですもん。

 これは個人の感想なので、人によってはこの作品にもゲーム要素を感じるかも知れません。意外とスマホゲーの方が、アニメになった時にゲームを感じさせない作品が多い気がしますね。


 話をアニメの方に戻しますが、空から落ちてきた隕石がバケモノに変わって一旦それらは退治されたんだけど、また復活し始めたと言うところから物語は始まります。主人公のタクトは相棒の運命ちゃんと共にそれを退治しながら旅をするんですね。


 このアニメの特徴は色々とあるのですが、まずは音楽がテーマである事、タクトは運命ちゃんが変身する度に右手を消失。更には戦う度に体が何かに侵食されていきます。戦うヒロインのムジカート達はみんなクラシックの名曲の名前になる。ムジカートになると人だった頃の人格を失う。敵は音楽を聞いて襲ってくるので音楽禁止の世界。

 敵の設定は大雑把ですが、味方の設定はかなり凝ってますよね。


 アニメの舞台は近未来のアメリカ。最近のアニメでアメリカが舞台になるのは珍しい気がします。昔は割と見かけたのですけどね。そう言った意味でも、最近のアニメファンには新鮮に映りそうです。崩壊して復興していると言う設定なので、現時点でのアメリカを詳細に描写する必要もないですしね。


 それと、アニメはマッドハウスとMAPPAが共同で作っているのも特徴と言えるでしょうね。2スタジオが共同でアニメ制作と言えば、ダーリン・イン・ザ・フランキスを思い出します。他にもあるのかな? あるのかも知れませんけど、私は寡聞にして存じません。良質アニメが評判の2スタジオが手を組んでいるのですから、クオリティが低くなる訳はありませんよね!


 そう、このアニメ、クオリティが高いのです。キャラ崩れもしないし、戦闘シーンではキャラやアングルがガシガシ動くし、とても贅沢なアニメですよ。キャラデザインも洗練されていますしね。DeNAが関わっているだけありますなぁ。ゲームの方もまだ始まっていませんけど、ヒットして欲しいものです。


 音楽がテーマとは言っても、やっている事はほぼバトルです。バトルに入るまでにはちゃんと音楽エピソードも組み込まれていますけどね。指揮官が指揮をしてそれを受けてムジカートがバトルすると言うのがビジュアル的にも新鮮で、見ていて面白いです。最初は全く連携が取れていなかったタクトと運命ちゃんのバトルも、8話まで来るとかなり洗練されてきた感じですね。


 ゲーム版のストーリーとアニメ版の設定は若干違うのですけど、アニメ版がゲーム版の前日譚になるのか、パラレルな流れになるのかは分かりません。もし前日譚なら、アニメ版の最終回はハッピーエンドにはならない雰囲気なんですよね(汗)。

 なので、出来ればパラレルであって欲しいところです。とは言え、8話時点(※執筆時)で不穏要素を匂わせているので、悪い予感が当たるかも知れません……。


 基本バトルアニメですので、バトル作品が好きな人にオススメです。音楽エピソードもしっかり組み込まれているので、音楽が好きな人にもオススメかな。後はロードムービー的な作品が好きな人や、アメリカが舞台の作品が好きな人にもオススメかも。あ、勿論私も楽しんで見ておりますよっ!

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