竜とそばかすの姫

 この夏一番の話題のアニメ映画、早速観てきましたよー。この映画もですね、ネタバレなしで感想を書くのがすごく難しい作品でした。無理くりネタバレなしで一言で感想を述べるなら、タイトルの『竜とそばかすの姫』は『竜とそばかすの歌姫』だった方が良かったんじゃないの? と言うものでしょうか。歌姫にするとちょっと語感的にダサくなってしまう感じがしないでもないですが(汗)。


 ストーリー以外の感想で言えば電脳世界のUの演出は流石ですし、現実世界の高知の再現度も高かったように思います。まぁ映画と同じ景色を生で見た事がないので、具体的な再現度はよく分かりませんが。


 で、この映画は歌姫ベルの歌が一番の売りですよね。そこは一番力を入れてあるだけあって、とても素晴らしかったです。ベルのキャラデザがアナ雪の人なので、ライブシーンは細田版アナ雪ライブシーンみたいでした。Uの世界観って結構ディズニーをイメージしているところがある気がするんですよね。デザインとか演出とかカラーリングとか。特にベルと竜が絡むシーンはかなりディズニーっぽい感じがしました。


 で、主人公の声がその歌の人じゃないですか。だから最初はキャラと声が合ってないように見えたんですよね。声優さんじゃないんですもん、当然です。ですが、終盤にはその違和感は仕事をしなくなっていました。

 異業種で声優をやって違和感がないのが俳優さんでその次が芸人さんですけど、アーティストの人も結構声の演技の上手い人が多いんですよね。だから最初だけですね、声がちょっとキツいと感じたのは。


 面白さで言えば、『未来のミライ』よりは面白いです。『バケモノの子』や『 ‎おおかみこどもの雨と雪』と比べたらどうだろう……? ここは人によって意見が分かれるでしょうね。少なくとも『サマーウォーズ』は超えてはいないと個人的には思います。『サマーウォーズ』は王道的展開だからね、仕方ないね。


 そう、この映画は王道を外しているんです。そこでそう言う行動に出ちゃうの? と言う事も多いし、そう言う事したらもっと違う風になるんじゃないの? と言う事も結構あります。詳しく書くとネタバレになるので書けませんけど。

 特にラストシーンの主人公の行動は、またネットでひと悶着ありそう。物語では許されるかもだけど、現実にはやっちゃいけないでしょってアレですので。詳しくは書けませんけど、少なくとも私はあの行動に違和感を覚えましたね。


 この映画の売りのひとつがネットでの反応描写。ネットで誹謗中傷とか目立つようになると、創作物でもそう言う演出をするのが普通になりました。この作品のテーマにそれも含まれているのですが、メインテーマではないので主人公が炎上したり病んだりとかには縁がありません。

 ただ、作劇上の演出もあって、あんまりカオスになっていなかったのは物語でネットを扱う限界でしょうか。アンチと信者のバトルはきりがないですからねえ。そこは仕方ない。


 この作品、1回観ただけでは色々と展開に理解の追いつかないところがありました。それを補完するには2回目を観るかパンフを買うかって感じなのですけど、そこまでさせる魅力は感じませんでしたね。あ、個人的にはですよ。普段あんまりリピートはしませんので。

 最近だとリピートしたのは鬼滅とエヴァくらいです。


 ライブシーンの迫力は圧巻でしたので、それを観に何度も劇場に足を運ぶのもありかなと思います。売りのひとつの竜の戦闘シーンは正直よう分からんかった(汗)。とにかくすごく強いってのだけは分かりましたけどね。


 と言う訳で、この夏一番の話題作ですけど、私からは強くオススメな作品ではありません。ただ、やはり一度は観ておく作品かなとは思います。あの歌声に惹かれた人や、ストーリーに興味を持った人、話題作はチェックしなくちゃって人にオススメです。ラブストーリーでもあるので、そう言う作品が好きな人もね。

 後は、色々考察出来る作品なので、考察が好きな人もいいかも知れません。そう言う感じですね。

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