映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

 この映画、上映開始してすぐにいい映画だと話題になりましたよね(※執筆時)。私がその評判を知ったのは某まとめサイトなのですけど。

 この夏はドラクエや二ノ国が散々な評価だったので観に行くのを取りやめたって経緯があるのですけど、すみっコぐらしはその逆パターンだったんです。

 なので、どんなもんやねーんと興味本位でホイホイと観に行きました。


 劇場では一番大きいスクリーンを使っての上映。これは期待出来るじゃあないですか。流石にお客さんはお子様連れが多かったですね。当然ですけど。

 まぁ、ここで怯む私じゃありません。気にしたら負けですよっ。


 で、映画予告やら映画泥棒やらも終わり、本編の上映が始まります。ナレーションはいのっち。優しい声で観ている人を映画の世界に誘い込みます。まずは、すみっコを知らない子のために登場キャラ全員の簡単な紹介。私も各キャラを知らなかったので、これは大いに助かりました。

 メインキャラは全員一捻りしてある感じです。キャラ造形の参考になるなぁ。


 で、メインキャラの紹介が終わると物語は始まって、そこである違和感に気付きました。各キャラが喋らないんです。

 いや、喋らないと言うのは語弊がありますね。喋ってはいるんですよ。いるんですけど、声を発しないんです。担当声優さんが存在していない。喋る時はひらがなの吹き出しが出るんです。これは斬新でしたねぇ。元ネタ的に喋られせられなかったのかもですけど。


 すみっコぐらしは人気コンテンツなので、映画以前にもたくさんの動画が作成されています。そのどの動画でもすみっコ達は喋っていないんですよね。その流れで映画になったので、やっぱり声は付けられなかったのかなと。

 すみっコぐらしは各キャラに声がないのがデフォなんですね。


 各キャラに声がない分、ナレーションがやたら喋ります。ちょっと喋り過ぎなくらいに(汗)。これって、考えてみたら絵本の読み聞かせの感覚なのかな。きっとそう言うコンセプトなのでしょうね。

 声が出なくても各キャラはそれぞれ個性的でみんな隅っこが好き。私もどちらかというとそう言う属性なので、気が付くとこの物語に夢中になっておりました。

 

 寂しがり屋で優しいすみっコ達の冒険は、喫茶店の地下室にあった不思議な本から始まります。おばけって言うすみっコがその本に吸い込まれた事で色々あって、メインのすみっコ達も全員本に吸い込まれるんですね。

 で、そこから色んな物語を跨いだ壮大な冒険が繰り広げられていくんです。


 その本に書かれていた物語は、多くの人が知っている古典おとぎ話。桃太郎に、マッチ売りの少女に、赤ずきんに、アラビアンナイトに、人魚姫に……。

 しかも、しかけ絵本になっていて、見ていると各物語を超えた展開が起こっていって段々楽しくなるんです。


 ストーリーの軸は、この絵本の世界に迷い込んだすみっコ達の前に現れた小さなひよこ。この子がどうやら迷子のようで、すみっコ達はひよこの本来の居場所を探して冒険をする事になるんです。

 そこからは涙あり笑いありスリルありの物語が続くのですが、詳しくは映画本編を観てねと言う事で。


 結論を言うと、面白かったし、涙も出そうになりました。以前からすみっコ達の事を詳しく知っていれば、更に感情移入出来たかも知れません。

 普通のアニメの表現方法と違って、絵本の絵がそのまま動いているみたいな表現はCG時代ならではだと思いましたね。しかけ絵本の世界をリアルに体感するみたいな演出は素晴らしかったです。


 観終わってよくよく考えると、ストーリーラインは王道なんですよね。シンプルだからこそ、訴える力も強いのかなと思います。王道の話をすみっコ達が頑張るから、新鮮な感動になったのかな、とも思ったり。


 ただ、最近の優しすぎる物語にのみ触れている人には、少しばかり刺激も強かったのかも知れません。ネットでもたまに見かけますよね、悲劇を見てショックを受ける人達。心が繊細すぎるのでしょうか……。

 ネットで見かけたこの映画の感想にもそう言うのがあって、感性の違いに驚いたりしました。ハッピーすぎるエンドばかりを見てきた人達なのでしょうね、きっと。


 最後に、迷子になったひよこの顔がおじゃる丸のキスケにそっくりなんですよ。なので、頭の中であの声が脳内再生されてしまってちょっと困りました(汗)。

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