エガオノダイカ

 この先品はタツノコプロ55周年記念作品で、制作的にかなり気合が入ってる作品です。それは見てもらえば安定した作画とかで分かると思います。ストーリーもかなり重いテーマを扱っていますし。存在感を示してきましたね。


 エガオノダイカ、笑顔の代価とわざわざタイトルに示している通り多大な犠牲のもとに人は今笑顔になれているんだよと言う事を伝えようとしている作品です。当然戦争がテーマになるんですね。


 この作品、第一話の前半を見る限り、お、流行りの異世界ファンタジーかななと思わせるような演出でした。そうしたらロボットが出てきて、あ、SFなんやなと言う事が分かります。魔法の代わりに科学が出て来たので、間違ってもファンタジーではなさそうです。


 主人公達の可愛いキャラデザインもあって、1話終了時点では戦記である事は分かったものの、そこまでハードではないだろうと言うちょっと楽観したものがありました。

 その楽観は2話で絶望に変わります。主人公の幼馴染ポジションの少年がいきなり戦死してしまったのです。な、何だってー!


 この作品はダブルヒロインを採用していて、王国のお姫様と帝国の女性兵士がそれに当たります。王国の方が技術力はあるものの、帝国の方が物量に優れていると言う対比で、今の所(※執筆時)帝国側が有利に描かれています。帝国側のメインキャラはまだ誰も戦死していませんし(※執筆時)。


 王国側は重要キャラは死ぬわ、有利だった技術は奪われるわ、街は攻略されるわといいところがありません。これ帝国が王国を侵略しきって終わるんじゃねって勢いです。今後、王国側の逆転要素、出てくるのかなぁ。

 物語が王国視点で始まったので、この流れは心情的にかなりしんどいです。


 異なる2つの立場を同時に描いているので、どちらも完全には応援出来ないし、どちらも完全には非難出来ません。

 とは言え、帝国側の方を悪い感じに描きがちなのは帝国って響きがそうさせるのでしょうねぇ。物語で出てくる帝国がいい国だった事ってありませんもん。逆に王国はいい国で描かれる事が多いですよね。お約束って言う事でもあるのでしょうけど。


 今後の展開は簡単に予想出来るんです。このダブルヒロインが出会って戦争を終わらせる動きに発展する。きっと物語の最後には停戦条約が結ばれたりとかするのでしょう。そう言う展開が分かった上で、どうやってその結末に持っていくのか、その流れを楽しんで見ている感じですね。


 2人の立場が違うので最初は潜入作戦の実行中にお互いの素性を知らないままに仲良くなるのだろうなと、そこまでは予想出来ます。それとも兵士側はお姫様と最初から知った上で接触するのかも知れません。

 流石にお姫様はそう簡単に死なないとは思いますけど、今後は死にかけるようなシーンも出てきそう。そこを敵の兵士が助けたりとか、そんなシチュエーションもあったりしそうです。


 テーマ的には使い古され、語り尽くされたテーマでもあるので、この作品らしい切り口がどうなるのか、そこを見ている感じですね。物語が終わった時に笑顔になれる作品であって欲しいと思います。

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