ファウスト博士の超人覚醒法

 今回私が紹介する本はかつて私がこの手の話にハマるきっかけとなったオカルト本です。約30年前の本なのでもちろん絶版です。

 超人覚醒法と言うタイトルの通り、本の内容を実行すれば覚醒すると言う内容です。どんなトンデモな内容が書いてるのかなーって最初は好奇心だけでページをめくったんです。


 これがね、能力開発本に見せかけた全く別の本だったのですよ。なので気に入って買ったんですけどね。ちなみにこの本の出版社は学研です。そう、知る人ぞ知るムーのスーパーミステリーブックス。

 30年前と言えば今、この手の本の出版社で一大勢力になっているヒカルランドはまだ存在していない時代ですね。


 最初からネタバレ全開で行きますが、この本は能力開発の仮面をかぶった根本仏教の本です。いえいえ、仏教と言っても仏様は出て来ません。覚醒、つまり悟りを開く為の本だったのです。その究極の目的の副産物でいろんな能力が身に付くと言うものだったのです。


 ちなみに著者の斉藤啓一さんはその後、占いの本ばかり書いています。と思って密林を彷徨うとそうでもなかった。哲学系や自己啓発系の本も書かれてますね。


 密林の中古本にこの本も出品されていて値段を確認すると15,000円だって。うひょっ。ついでに言うとこの超人覚醒法、著者自らリメイク本を出しているので(2010年発行なのでこの本も絶版の模様)その本を買うなら中古で753円(送料別)で手に入るようです。Kindleなら1,274円です。


 ネタバレ全開で行きますけど、覚醒と言うのは自己観察によって自分が陥ってる思考の罠から脱出する事を言います。この本によると普段の私達は外部の動きに機械的に反応するだけの操り人形のようなものだそうです。自分で自分を観察してその状態である事に気付く事、それが分かった瞬間に覚醒が起こると説いています。


 実際、仏教の修行でも自己観察って重要な要素みたいですね。だからひとり山に篭もるような修行もするのでしょう。全ては自分を見つめる中で気付くものなんですナ。


 えっと、ではこの本に書かれている取り組めば得られる能力について書いていきましょう。


 願望を実現するための方法

 高次元意識の覚醒による真の栄光と至福に満たされた意識の獲得

 アストラル絵画によるエネルギー純化法

 相手の本性を知るオーラ視力の開発

 人を引きつける魅力磁場の発生法

 豊かな閃きを生み出す思考技術

 心を映し願望を叶える魔法の鏡

 想念によって形作るタルパ(人工幻影)の想像法


 これらの項目を見れば分かる通り、普通の人が想像する超能力っぽいものはオーラ視力とタルパくらいのものです。各修行方法もそんなに難しいものではありません。 修行のテクニックが難しくないというだけで、その修行の実行が簡単と言う訳ではないですよ。


 例えば、自己観察は常に自分がどう言う状態にあるのか客観的に自分を観察すると言うものですが、言うのは簡単ですがこれを起きている間ずっと続けるとなると難易度がぐんと上がりますよね。


 この本ではそれらの修行方法をとある博士の主催する覚醒ツアーに参加する形を取った物語形式で書かれています。つまり、スピリチュアルノベルとして読めるんですよ。読み物としても興味深く読めるようになっています。


 常識を外すのがこの本の狙いなので、とにかくショッキングな出来事ばかり起こります。酷い目に遭いながらその問題を克服して、次の段階に進むとまた酷い目に遭ってを繰り返すんですね。読み進める内に著者の言いたかった常識の罠や自我の本質などを学べるようになっています。


 私も最初はこの修業を真面目にやっていたんですけどね。結局は挫折しました。なので知識だけ持っている状態です。ただ、しゃっくりがすぐ止まるようになったのはこの本に書かれている呼吸法の修行のおかげだと思っています。

 エーテル体、アストラル体、メンタル体の名前はこの本で知りましたねぇ。もうひとつ上の段階のコーザル体については言及されていませんでしたが。多分そう言う時代だったのでしょう。


 ちなみに覚醒の前に起こる準覚醒の段階には私一度だけなった事があります。心の中に宇宙が広がってとても安らかな気持ちになりました。常にあの感覚に満たされたならきっと人は争う事もなくみんな愛に満ちた生活が出来るだろうと思います。

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