Gメン

 このエッセイでチャンピオン作品を取り上げると意外に読まれると言う法則を発見しまして、またチャンピオン作品を取り上げる事にしました。

 で、今回取り上げるチャンピオン作品が『Gメン』です。


 この作品、簡単に言うとヤンキー漫画に該当するんですけどね、普通のその手の漫画と違って喧嘩ばっかりじゃないんです。ヤンキーも登場すると言うだけの不良青春劇になっています。これって結構新鮮じゃないかと思うんですよね。


 主人公はG組って言う学年最低のランクのクラスに属する男子高校生の門松 勝太でモテモテになる為に転校して来たらG組に編入されてモテから遠ざかってしまった悲劇の主人公なんですよ。


 不良漫画なのでG組の不良共はみんなガラが悪いのかと言えば全然そんな事はなくて、頭は悪いにしてもみんないい奴ばかりなんですよね。授業をサボる事はあったとしても特に悪さはしませんし、みんな仲がいいし。連載当初からそうだったかどうかはちょっと記憶が曖昧なんですが(汗)。


 でも不良マンガですからね、たまには喧嘩とかしたりします。学生同士の抗争に巻き込まれたりも。なので勝太も結構ピンチになるんですよね。お約束の展開で彼が実は結構強かったって流れもあるんですが。つまりヤンキー漫画のお約束もきっちり押さえてはいるんです。


 この作品の特徴に結構登場人物それぞれにスポットライトが当たると言うのがあります。脇役キャラが主役になる展開も多いんです。そこからまた物語が動いていくんですよね。女性教師を助けたり、海の家で働いたり、本筋から離れた話もまた面白いんですよ。


 私はこの作者の描く作品が好きだから続いて欲しいんですけど、今の状況から見ていきなりの打ち切りはなさそうなので安心しています。この作者の前作『スリーセブン』は打ち切りエンドだったんで。『Gメン』はしっかり作者の構想通りに描き切れる作品になって欲しいな。


 で、タイトルの『Gメン』なんですけど、これが最初は全然出て来ない言葉なんです。一体何の意味があるんだろうかと思っていたら、ある程度話の進んだところでそれが判明します。


 Gメンって主人公の通う学校に在籍するむっちゃ強い伝説の不良グループの名前だったんです。初めてそのメンバーが登場したのが、勝太が大ピンチに陥った場面だったんですけど、さっそうと登場して敵対する勢力をひとりでボコボコにしちゃってまるでヒーローみたいでした。


 今ではそんなGメンと主人公達は仲良くなって困った時には助けてもらったりしています。連載が進むともっと仲良くなっていくのかも。


 このGメンのひとりに勝太をむっちゃ気に入っている先輩がいるのですが、彼はゲイって設定なんですよね。とは言え、あんまりそれっぽい描写はないんですけど。ちょっと新鮮な設定だなとか思ったり。


 で、モテたいためにわざわざ転校して来た勝太には、それなりにモテそうになるエピソードが用意されています。そのことごとくがうまく行きそうになって最後はうまくいかないと言う流れを繰り返しているんです。やっぱり不良マンガなんで恋愛が成就しちゃあかんのでしょうか……。


 現在(※執筆時)、勝太はある不良少女といい感じになっていますけど、今までの法則が発動しないとも限らないから予断を許しませんねえ。お似合いなんでくっついて欲しいところですが。


 不良漫画の一番の花でもある喧嘩シーンもしっかり描いていますし、それ以外の話もほっこりする話があったり、笑える話があったり、普通にいい話があったり……有りがちな不良漫画より青春している感じが私は好きですね。


 ただ、そんな漫画なので展開が全く見えません。この先も次々と起こるトラブルに対処していくだけの展開で終わるのかも。そう言う不良漫画があってもいいですよね。もう番長がその地域の勢力を統一するようなそんな時代じゃないですし。

 ただ、今後そう言う展開にならないとは断言出来ないんですが(汗)。


 個人的にはそんなテンプレ的な展開にならずに、個性豊かなキャラクター達がダラダラと平和な学生生活をこれからも送ってくれたらいいなあなんて思っています。

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