クロムクロ

 放送第1回から追いかけていたクロムクロが完結しました。深夜オリジナル新規アニメでは珍しい2クールアニメです。

 最初こそロボットのデザインが野暮ったいとか色々思ったりしたのですが、流石2クールアニメだけあって丁寧に進む物語にいつしか引き込まれていきました。


 この作品を簡単に説明するとロボットアニメです。もう少し詳しく言うと宇宙から攻めてくる異星人の操るロボットと同じ技術で作られた主人公機が戦うロボットモノです。そして主人公は昔の侍、と、そんなアニメです。


 主人公の剣之介は450年前の侍でロボのコクピットの中でそれだけの年月をコールドスリープしていたんです。遺跡として発掘されたそのコクピットが開くところから物語は始まります。


 あらすじを話し始めると長くなるので物語の説明はこのくらいにしますけど、最初は敵の存在も分かりませんし、敵の目的すら分からないのでエヴァ系の謎の敵が何故か地球を襲うよ的な始まりをしたのです。


 物語がゆっくり進むので1クール終わった時点では物語はほとんど進んではいませんでした。その間にキャラの描写を丁寧にしていたんですね。個性的なキャラが繰り広げるやり取りはまるで学園アニメを見ているようでした。


 物語が2クールあったのを利用して張り巡らせていた伏線も、しっかり自然な感じで解き明かされていきました。語られなかった謎も残ってましたけど、きっと設定上はどこにも矛盾はないはずなので、それでいいかと自分では納得はしています。


 ロボアニメと言えばやはり気になるのはその戦闘描写ですが、ロボはオールCGで、つまり造形的に嘘はないんですよね。そして主人公が侍なので基本的に直接戦闘がメインです。剣を持って切り合うんです。ロボチャンバラですね。

 そう言うロボアニメが過去になかったかと言えばそんな事はないのですが、キャラデザインが独特でその独特のデザインから繰り出す特徴的なアクションはまるで作業機械的だったりして中々に個性的で、楽しく見る事が出来ました。


 最初は敵の力は圧倒的で全く勝ち目のなさそうな描写が続くのですが、途中から形勢が逆転してきて、有りがちな番組途中での劇的進化をする事もなく、最後まで初期型モデルで戦いきったのは良かったですね。途中で飛行ユニットと合体したりはしましたけど。


 この先品、最終決戦が終わってエピローグが2話あったんですよ。中々エピローグに2話使う作品ってないですよ。なので最後まで丁寧な作品だったなって気がします。最終決戦後のキャラの心の動きも私から見れば納得のものでしたし。


 クロムクロを最後まで見た感想は優しい人が多く出てくるアニメだったなって印象です。敵に対しては全く容赦がなかったですけどね(汗)。ご都合主義的な部分もありましたけど、途中ではものすごいピンチになったり、絶望感も覚えたり、それでも何とか乗り切って最後にはほっこりと放送期間中は存分に楽しませてもらいました。面白かったです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る