鬼滅の刃

 週刊少年ジャンプに連載中(※執筆時)のこの作品、最初はその絵柄もあってもっとほのぼのとした物語なのかと思っていました。その期待は1話の途中から崩れ去りましたけど。


 鬼に殺された家族の復讐から始まる物語ですが、時代設定が大正時代というのがちょっと新鮮でいいですよね。


 申し訳ないですけどこの作品、序盤はそんなに面白さを感じませんでした。絵柄は好きだったんですけど。物語が始まって修行のシーンまでは今までに見た物語と似たような感じでしたからね。新鮮味が足りなかったんですよ。

 それが修行で主人公を助けてくれたキャラが実は……のあたりからおや?と思うようになり、主人公炭治郎が鬼殺隊正規メンバーに選ばれたあたりから面白く感じるようになりました。


 ただの鬼を倒す作品ならここまで面白さを感じなかったかも知れません。この作品の面白さは独自のバトルとちょっと抜けたキャラクターです。やっぱり淡々と物語が進むだけでは面白味に欠けてしまいますよね。


 シリアスに進むのかと思ったらちょくちょく変なキャラや間抜けな展開を挟んでくる。日常パートが読んでいて楽しいです。絵柄にも合ってますし。ヘタレな善逸のキャラは本当にいいです。出来れば最後まで無能であって欲しかったのに、やはり条件付きの天才でした。それから猪の顔を被った人(名前なんでしたっけ?)。多分ですがこの3人が今後仲間になってメインで鬼退治をする感じなんでしょうね。凸凹過ぎて愉快な旅の姿が目に浮かぶようです。

 五感を駆使した戦いと言うテーマもありそうだから、仲間は最終的に5人になるのかも。5人編成の仲間と言えば紅一点がお約束だから、そう言うのにも期待かな。妹がそのメンバーに入る可能性だってあるね。


 もうひとつの見どころがこの作品独自の戦闘シーンです。炭治郎が使う水の型と呼吸を駆使した戦闘シーンは一見の価値ありです。今のところ、どんなピンチもそれらを使って見事に危機を脱しています。すごいぞ水の型と呼吸。今後それらが通用しない強敵が現れた時、自らの力で新奥義を開眼したりもするんでしょうね。

 まだ鬼殺隊の他のメンバーが活躍するシーンが少ないので仲間の戦闘シーンの描写が少ないのですが、今後は魅力的な仲間の戦闘シーンも数多く描かれる事でしょう。魅力的な戦闘シーンを描かれる作者ならではの多彩な戦闘シーン描写に今から期待が高まります。


 これからの課題と言えばどれだけ敵を描けるかと言うところでしょうか。名作バトル漫画には魅力的な敵がたくさん登場します。この作品はまだここが弱い気がするんですよね。例えば何度も戦うようなライバルキャラとか独自の哲学を持った敵とか……そんな敵の魅力が加わればこの作品はもっと化ける力を秘めている気がします。


 最初の頃こそ下手したら10週コースかなと思われていたこの作品も、キャラが自由に動き始めてその危機から脱したように思います。今の路線を維持出来れば10巻位は大丈夫なレールに乗っかったんじゃないでしょうか?独自の魅力を持っていますのでこれからも楽しみに読んでいきたいと思います。

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