第2話 不敵な発言

ウメハラさんと言えば「負ける要素はない」というストリートファイターゼロ3での大会で猿岩石のインタビューに答えた発言が有名ですが、このような不適な発言が他にもたくさんあり語録サイトが出来ているほどです。実際に動画で見ていてもギョッとするような発言がいきなり飛び出して、けしてネットで誇張されたわけではない、あれが生のウメハラなんだと思い知ります。


私が印象的だったのは闘劇という格闘ゲームの多タイトル同時全国大会の「ストリートファイター3」ベスト4が揃った壇上にて試合前の意気込みを聞かれ時の1幕です。


梅原「…いや、なんか、大丈夫そう。」

インタビュアー「え?」

梅原「いや、なんかヨエーなーって。このメンツなら大丈夫そう」

インタビュアー「た、たはは、なんと『大丈夫そう』!出ましたねー(苦笑しながら)」


この後、確かにウメハラと戦友「ヌキ」さんのコンビは危なげもなく優勝してみせます。それは流石、なんですが、これはちょっと反感を持つ人がいるんじゃないかと不安にもなりました。実際に私の隣で見ていた一般プレイヤーの1人は、「ゲーム強くても人として最低やな、意味ないわ」と切り捨てていました。このウメハラさんの発言はウケ狙いであってほしいと私もこの時ばかりは密かに願っていたのですが、やはり今思い返してもあれは紛れもない本音だったのでしょう。


普通はあれは言いません。その後の影響を考えると言えないでしょう。


しかし彼は言えるのです。そして結果、それが私が心配するほどにはあまり問題になりませんでした。なぜでしょうか。


私が今回展開したいと思っているウメハラ論のキモというか答えを早くもこの章で出してしまうわけですが、私が思うにウメハラさんのカリスマ性は強さや結果を残してきたこと、試合内容とはまた別に、常人にはないある強力な要素で支えられていると思うのです。


それは


「他者からの承認欲求が限りなく薄い」


これです。


もちろんウメハラさん自身が社会的にやりたいことや達成したいことはある。学歴にはコンプレックスがあって抑えきれないと自身がネットで放送している「daigo the beastv」の中でも認めています。しかしそれは他者から認められるためのものじゃなく、自分の能力をいつかそっちの方面でも確かめてみたいという、極めて能動的な意味での欲求ではないかと私は確信しています。


この他者からの承認欲求に限りなく無頓着であるということが本番での強さを生み出している。だからあの能面のような顔でのプレイが可能だし、後のことを考えない発言も可能だと思うのです。そしてそのことによりカリスマ性まで生まれていると私は考えるのです。


次回、この点をもう少し深く掘り下げていきます

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