ウメハラ論
やーす
第1話 能面のような顔
おそらくこのタイトルで見に来た人は動画「背水の逆転劇」について知らない人はほぼ居ないでしょう。誰が名付けたか、ストリートファイター3の決勝において残り体力ほぼゼロ、ここで相手キャラの超必殺技が繰り出されて体力を削り殺されるかという場面で難しいテクニック「ブロッキング」を完全にこなし、その場で理論上考えられる最大の連続技を決めて逆転。この動画は世界中で拡散されて格ゲープレイヤーの間で有名になりました。
なぜ有名になったか。ひとつには、ウメハラさんに格ゲープレイヤーは夢を見たのです。格ゲーがメジャーカルチャーとして認識されるかもしれないという夢です。だからこの動画はわりと大袈裟な宣伝が格ゲープレイヤーらによって為されてきた面があると思います。格ゲープレイヤー以外にも広まった、格ゲーの枠を超えて人の感動を呼んだとかなんとか。実際にそうであったかは知りません。しかし少なくとも「ウメハラ」の名は世界で売れに売れた。この頃から「Daigo beast」のWikipediaや英語圏の人が作ったyoutubeまとめ動画がインターネットに現れ始めました。
この現象を当のウメハラさん自身はどう考えていたのか。実はウメハラさんがネットやスマホを使い始めたのはかなり最近のことではないかと思っています。少なくとも背水の逆転劇を起こした2005年あたりはネットは見ない興味ないとスト2Xの大会時のインタビューで答えています(出典:Xマニア外伝ブックレット)。
ところがウメハラさん初めての著作「勝ち続ける意志力」の冒頭では「背水の逆転劇」に触れてから持論を語りだしているので、後に振り返った時に自分の残した功績の大きさに気づいたというのが本音ではないでしょうか。
その著書では、背水の逆転劇前後では多くのアメリカ人観戦者が大騒ぎではしゃいでいるにもかかわらず「何も聞こえなかった。自分はゲームをしている時は周りの声が何も聞こえない」と語っています。
ウメハラさんのプレイ動画で彼自身が映されるものを見た人がある人なら見覚えあるでしょう。あの能面のような顔でのプレイを。全くの無表情。あんな顔になれる瞬間というのは逆に我々の日常生活でも普通あまりありません。
あれこそが大会で特に結果を残せる「勝てる」秘密だと私は思っています。著書では普段からのプレイについての成長の秘訣を残されていますが、それも大事なことであるが、仮に著書で述べられていることすべてを真似したとしても誰もウメハラに成れはしないでしょう。
もうひとつ彼には持っているものがあるのです。それが本番での強さと、そして何より彼が人生で誇るべき強さ「カリスマ性」に繋がっている。
これを今から12回ほどに渡って言語化していきたいと思います
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます