第10話 ミーァキャットちゃんとネコ、ねこ、猫さん達

「ミーァキャットちゃん、お外に出てはダメよ」

ママは、そう言うと黒い車でお仕事に出かけて行きました。


ママは化粧品会社の女社長さんです。

毎日、お仕事とパーティーで大忙し…、だから、いつもミーァキャットちゃんはお家でお留守番でした。



ミーァキャットちゃんは、お気に入りのリビングの丸ぁるいフカフカのピンクのソファーで思いっきり背伸びをしてから、小さくあくびをしました。



今日は何をして遊びましょうか?


リビング横の階段の手すりの上を、優雅に、フサフサのシッポをユラユラ揺らしながら♪ミーァキャットちゃんは、階段中の大きな出窓に♪ちょこんと座って外を眺めました。


窓から見える隣の公園では、小さな子供対達が遊んでいました。




次の日の夜、ママは夜のパーティーに出かけて行きました。ミーァキャットちゃんは今日もお留守番です。



いつもの様に、階段中の大きな窓にチョコンと座ってお外を見ると、外灯のついた公園のテーブルに、ねこさん達が集まっているのが見えました。



「何の!?集まりかしら・・・?」

ミーァキャットちゃんは、お外をよく見ようと立ち上がり、窓にお鼻が付くくらい近づきました。


キィ~、


あらぁ!あらぁ!あらぁ!とぉ…、

いつもはしっかりと閉まっている窓が、ミーァキャットちゃんのお鼻に押されて開いたのです。



「あらぁ!!どうしょう・・・」

ミーァキャットちゃんは迷いましたが、振り返ってママが出て行った玄関ドアをじっと見つめながら、思いきって前を向くと…。



えい!と、窓を開けて外に出ました。


…チョッピリ怖かったけど…




ミーァキャットちゃんは、ねこさん達の集まる公園のテーブルへとゆっくり近づいて行きました。


「やあ!!今晩は」

首に白い風呂敷をした、白と黒のブチ模様のあるスマートねこさんが言いました。



「今晩は」と、ミーァキャットちゃんはこたえます。


「こっちへおいでよ♪」

他の、ねこ、ネコ、猫さん達も声をかけてくれました。



今宵はキラキラ一番星さんが一番綺麗な夜だから、ねこ、ネコ、猫さん達は、皆でご馳走を持ち寄ってパーティーを開催していたのです。



ミーァキャットちゃんは、さっきからテーブルの上で、ユラユラ揺れている不思議なものが気になっていました♪


(何かしら?ユラユラ、ユラユラ、でも不思議♪でもぉ、とっても、とっても♫いい香りがするわぁ♪♪)




ねこ、ネコ、猫さん達とミーァキャットちゃんは、テーブルの上のご馳走を前に「いただきまぁ~す♪」と、ご馳走さん達に元気よくご挨拶しました。



「あっ!!ミーァキャットちゃん♪押さえて、押さえて、鰹節ユラユラさんが、風さんと遊びたがって♪飛んで行っちゃうから♪」

丸いお目めの茶色いブチ猫さんが言います♪


(あらぁ!!このユラユラ、鰹節ユラユラさんて言うのね!!)


ミーァキャットちゃんも、ねこ、ネコ、猫さん達も鰹節ユラユラさんを押さえるのに必死、真剣勝負です。



すると、ちっちゃな黒猫さんが言いました。


「ミーァキャットちゃん。うちのママが焼いてくれたサンマちゃんは、海の香りがするんだよ♪食べてみて♪」


(あらぁ、ほんとぉ♪・・いい香り・・。海には行ったことが無いから知らないけど…♪…いい香り♪海って、美味しい香りがするのね)




「これは、おばあちゃんが持たせてくれたビックリ煮干しさんだよ。硬いけどね、噛めば噛むほど、味のカプセルが♪プチン♪プチンって、口の中で弾けて美味しいんだよ」


と、

スマートねこさんが首の白い風呂敷を取って広げます。


中には、小さな、小さな魚さん達が。

(ほんとおだぁ♪ビックリしたみたいに口を開けて、上を見てるわぁ♪この魚さん達)



ミーァキャットちゃんは、可笑しくなって、笑顔のにこにこ顔でスマートねこさんを見ると。

スマートねこさんは、ミーァキャットちゃんにウィンク♪してくれました。



「食べてごらん」

スマートねこさんに言われて、ミーァキャットちゃんはビックリ煮干しさんを口に入れました。


カミカミ、カミカミ・・・。


あぁ~ら♪不思議♪


ビックリ煮干しさんをカミカミする度に、なんとも言えない♪美味しさが、チョピリ苦さの大人の味が口いっぱいに広がって行きます。



カミカミ、カミカミ、

ほんとおだぁ~☆プチプチ味のカプセルがプチプチって、美味しいぃ~



「僕もぉ~☆」

ねこ、ネコ、猫さん達みんながビックリ煮干しさんを、カミカミ♪カミ♪♪


みぃ~んな、静かになって、カミカミ♪カミカミ♪カミ♪♪




プップゥ~


遠くでママの車の音が聞こえます!

さぁ~大変、

ママが帰って来る前にお家に帰らないと!!


ミーァキャットちゃん、大変よ!



「私、帰らないと」

「ママが帰って来るんだね。いいよミーァキャットちゃん、帰って♪」


「でも、私、何もないの、ただ、食べただけ。ごめんなさい」


「いいよ♪だって、僕達。もお、友達だもん♪ねぇ♪」

スマートねこさんがウィンクします。



「そうだよ♪ミーァキャットちゃん。もお♪友達だよ僕達♪」

ねこ、ネコ、猫さん達みんなが『にゃぁ~♪」』と合唱してくれます。



ミーァキャットちゃんも、嬉しくなって『にゃぁ~♪♪』とこたえます。



ミーァキャットちゃんは、一番星さんを見ながら♪思いました。


いつか♪ママにも教えてあげよぉ♪



鰹節ユラユラさんは、風さんと遊ぶのが好きだから、真剣勝負♪だって。


焼き魚のサンマちゃんは、海の香りがするって。


ビックリ煮干しさんは、美味しい味がカプセルに入っているから…カミカミ♪カミカミ♪カミ♪



…でも、今は…、秘密 『ニャン♪♪』


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