✬デビルキャットその✬
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結局帰り道の途中、お腹の空いた黄金世代、ドラゴンクラスの面々は、帝都繁華街へと足を運んでいた。
やっぱりと、ヤナギは唐突に口を開くと、
「食べるなら、お食事処【一万円】だよな」
と言うとお食事処【一万円】のある方角へ1人歩いて行く。
「いやいや、食べるならラーメン屋【うまかもん】が良かよ」
凄く美味しい何より安いばい、とレゾナは満面の笑みで言うと、颯爽とラーメン屋【うまかもん】に向かって行く。
全く協調性の無いグループだ。
とはいえ、好きな物をそれぞれ食べるって言うのは理にかなっているな、と何が理にかなっているのか良くわからない事をフロストは考えていた。
するとそこへ、今だ何を食べるか決めていない3人の下へ1人の男が通りかかる。
こちらに気づくと、おや?と言った表情を見せ、こちらに近づいて来た。
「これはこれは、黄金世代ドラゴンクラスの生徒ではないか」
と、白いスーツにシルクハットを被った丸い眼鏡が特徴の男が、なんとも爽やかな笑顔でフロスト達の前に現れた。
「えっと、確か魔術学校の教員の方ですよね?」
と、アリアナは間違っていたらごめんなさい、とばかりに言うと、
「えぇ確かにその通りですよ、Ms.アミエーラお嬢さん」
とどこぞの貴族、または騎士の様な立ち振る舞いで白いスーツの男は言うと、
「おっとこれは失礼、私(わたくし)バロン=パラティヌスと申します」
ちなみに二学年のスザククラスを担当しています、と名乗った。
それに吊られ、各々も自己紹介をするとバロンと名乗る教員は言った。
「よろしければお食事ご一緒にどうですか?」
と…
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ラーメン屋【うまかもん】、ここは繁華街でもかなり安いと評判のお店であるが、安さとは裏腹にとても美味しいのだ。
そんなお店のカウンターに座り1人で黙々とラーメンを啜る女性、レゾナがいた。
うんうん、と1人納得の様子で頷くと
「やっぱ【うまかもん】は美味しかね、あ、おじちゃん半熟玉子追加と、替玉バリカタで」
お願い、と店のオーナーに言うとレンゲで汁を啜る。
「おいちゃんこっちもバリカタにゃ‼︎早くするにゃ‼︎まだかにゃ?」
と、語尾にいちいち「にゃ」をつける着物姿の大山猫がカウンター、つまりレゾナの左隣に座っていた。
レゾナは顔を上げ、左隣の猫を見やる。
着物姿の猫もレゾナを見る。
お互いほんのひと時見つめ合い、そしてグッと熱い握手を交わした。
「にゃはは、分かっておるにゃ〜お主‼︎やっぱり麺の固さはバリカタにゃ‼︎」
にゃははははッと、猫は上機嫌で笑うと
「にゃまえ(名前)なんて言うにゃ?」
と、同志に名前を尋ねる。
「私はレゾナばい、猫さんは?」
とレゾナは猫に聞き返すが、
「にゃははッ拙者まだ、にゃまえ(名前)
にゃいにゃ」
と、答えた。
「え?名前ないの?猫さん」
と、猫に聞き返すレゾナに、
「本名はあるけど、言えにゃいにゃ‼︎」
分かるだろ?と猫はレゾナを見つめる。
レゾナの瞳が一瞬赤く光る。
「あなた……悪魔‼︎」
と、ガタッと音を立て席を立つレゾナに、
シーシーッと指?を口元の前で器用に一本だけ立てて、
「静かににゃ‼︎これには深い訳があるにゃ‼︎とにかく落ち着くにゃ‼︎」
と、言って慌てていた。
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