✬一貫性のない教員✬

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ーー場所は戻り魔術学校ドラゴンクラス


「私(わたくし)この度、ドラゴンクラスを担当する事となったブルフだ、よろしく若い者達よ」

と、ブルフはクルクルとステッキを回しながら言う。

「ってこたぁ担任って事かぁ、あんたみたいな強い魔術師が担任ってのは嬉しいぜ」

とヤナギは先日、悪魔と対峙する時に見せたブルフの強力な魔術について言う。

「ちょっと‼︎先生に向かってあんたとは何よ‼︎」

と、アリアナはヤナギに向け訂正しなさいと言って怒る。

成る程成る程と、ブルフは呟きながらステッキをピタと止めると、

「ふむふむ、その通りだMr.ジブラード君、私(わたくし)は教員であるのだから敬意を持ってブルフ先生と呼びたまえ」

と言った。

2人に言われハッとした顔でヤナギは、

「それは俺が悪かった」

すみませんブルフ先生、と謝るよりも先に、

「そして女生徒は、敬意を持って《ブルフお兄ちゃん》または《お兄様》と呼びたまえ」

と言い、更に付け加えるなら語尾にハートをつけると尚良しとしよう、などと言うもんだからいつの間に移動したのかアリアナに、


スパァァァァァン


と、キレッキレのスピードで頭を叩(はた)かれる教員がそこにいた。

「ふむふむ失礼、女生徒の美しさランキングトップを前にして、少々浮かれておりましたわ」

ふふふっと不敵な笑みで笑うブルフ教員を見て、

「などとブルフ教員は供述しておりますがどうされますか?フロスト裁判官」

とこれまたいつの間にかアリアナの横に移動していたレゾナが、いつもの独自の叱りは何処へやらフロストに向け言った。

呆気にとられていたフロストは、

「え?あ、無罪」

と、呟いた。

ルーナは机をバシバシ叩きながら笑っていて、ヤナギはおいおい、と前置きしては、

「俺の言動よりはるかに上回るレベルで教員に向かって何してるんだよアリアナさん」

と、呆れた口調で言っていた。

それを見て、ふふふっとブルフは笑うと、

「まぁ冗談はさて置き担任だ、よろしく」

と、急に真面目に言う。

またしても皆(みな)呆気にとられて、そしてよろしくお願いしますと言ったのだった。

或る意味なんとも気難しい人のようだ、とフロストは心の中で1人ごちた。


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登校初日の授業はなんとも簡素な物だった。

とはいえ、1日目からいきなり授業というのも魔術学校的には、あまりいただけないらしい。

何故なら、ドラゴンクラスはさて置き、他のクラスでは人数がかなり多いのだから、きっと自己紹介や親睦を深めていたのだろう。



そして、物語りは魔術学校帰り道へと移そう。



「しっかしブルフ教員には参ったぜ、言動も仕草も魔術の行使も何一つ一貫性がないな」

とはヤナギである。

「確かに、あの魔術の行使には憧れを抱いたのになんか釈然としないな」

とフロストは、うんうんと頷いていた。

「ルンちゃんは好きだな〜」

と、ルーナがスキップをしながら言うと、

「え?ルーちゃんあんなおじ様が好みなと?」

とレゾナは可愛らしく首を傾げながら言うと、

ルーナはブファッと噴き出すと、

「違う違う、性格だよ〜レゾナっちぃー」

と、ジト目をしながらレゾナに言った。

そんな各々の言動にアリアナは、

ハァーっとため息をつきながら、右手の人差し指で髪をクルクルと巻いていた。


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