✬その笑顔プライスレス✬
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「ガタガタうっせーなぁ‼︎さっさと14人まとめて掛かって来たら良いじゃないっすか」
先輩達よぉ、と声を荒げるのはサングラスをかけている緑の短髪の青年だ。
「はっ何が黄金世代だよ。1人じゃどーせ何も出来ないだろ?入学前に先輩達が手解きしてやろうってもんだ」
と、この青年に、絡んでいるのは帝都魔術学校の二回生達である。
「1人じゃ怖くて何も出来ないのは先輩達じゃないっすか」
何自分たちを棚に上げて言ってんですか?と、鼻で笑いながら青年は言う。
「うるせーよ黙って手解き受けとけ‼︎他の4人にも早く手解きしてあげないといけないからな」
と言いながら、他の奴らとヘラヘラしていた男はすでに10メートル先に吹き飛んでいた。
「おい‼︎てぇめぇら、俺ら黄金世代の中には女性もいるんだぞ?」
知ってるのか?と青年は先輩達に聞く。
「い、いや別に手解きするだけで暴力なんてねーよ」
なぁ?と二回生の1人が他の仲間に聞くがすでにこの二回生を残して誰も残っていなかった。
え?と、あっけにとられている二回生を横目に
「女性は大事に扱えって教わってねぇのかぁ‼︎あ?」
と、声を荒げながら最後の1人を蹴り上げた。
最後の1人が蹴り上げられる直前に見たのは、青年のサングラス奥にうっすらと、こちらを睨みつける、切れ長のキツネ目だった。
「ったく男としてなってねぇな」
と青年がブツクサと言っていると、
「なんしよーとー?」
と、後ろから声をかけられる。
青年はつい、今しがたの出来事があったので「あぁ?」と、振り向きながら不機嫌にいう。
だがそこにいたのは、ん?と可愛く首をかしげている女性、レゾナだった。
「こ、こんにちは、きょ、今日はいい天気ですね」
と、相手が女性だと分かるといきなり挙動不審におちいる青年だった。
「そうね、すっごい良い天気ばい」
と答え、あ、と思い出したように、
「私レゾナ」
と自己紹介してあなたは?と青年に尋ねる。
「お、俺はヤナギだ‼︎」
と、青年は答えるが
「ヤナギダ君ねよろしく」
と握手を求めるが、
「違うヤナギだ‼︎」
と青年は名前が違うと伝えるが、
だからヤナギダ君でしょ?と首をかしげて何か違うの?と言うようにレゾナは言う。
もぉどうでも良いやと、ヤナギは握手に応じると、ふふっとレゾナは笑い
「お友達第1号ばい」
と言い、満面の笑みで笑った。
(その笑顔プライスレスです)
と、ヤナギは今までの人生で女性にこんな笑顔を向けられた事がないと心の中で思いながら、またも挙動不審に陥っていた。
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「おいおい、本当に今年の入学予定の新入生、特に黄金世代はどうなってんだよ」
と言いながら、テーブルを叩いているのは魔術学校教員である。
それを、まぁまぁと宥(なだ)めながら、まだ入学していないのですから、私共の責任にはなりませんし、と言いテーブルの上に置いてあるティーカップに手を伸ばす。
なんでこうも立て続けに問題を起こすかな、とブツブツ言いながら紅茶を啜るが、相変わらずティーカップはカタカタッと酷く音を立てていた。
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