Gメン

 この作品は『週刊少年チャンピオン』2014年52号から2018年18号まで連載されていた小沢としお先生の漫画が原作の映画です。私は原作は読んでいましたけど、単行本を買い揃えるほどではなかったので、ストーリーはうろ覚えです。なので、映画が原作通りなのかアレンジされているのかは分かりません。

 いや、確実にアレンジされているとは思いますけどね。色々展開を端折って2時間にまとめてますし。台詞も今の時代に合わせたものもありましたので。


 どう言う物語かと言うと、ジャンルで言うとヤンキーモノです。ただし、普通のヤンキーモノと違ってそこまで真面目じゃありません。コメディ色も強いし、主人公が地元のトップになってやるぜって話でもないんです。底辺男子高校生の日常プラス場合によって喧嘩、くらいのテンションです。

 この辺はしっかり原作の雰囲気を再現出来ていて感動しましたね。私は基本ヤンキー漫画って読まないんですけど、Gメンだけは毎週楽しく読んでましたから。


 そうそう、原作の再現度と言えば、漫画やアニメの実写版はそこが重要になるじゃないですか。この映画はその辺りもバッチリでした。よくここまで似ている人を集めたなってくらい。この映画はアニメを経ずにいきなりの実写化でしたけど、それも良かったのかも。全員実にハマってましたよ。まぁ、俳優さんの年齢的には高校生じゃなくて全員おっさんなんですけどね。そこはしゃーない。

 主演がキンプリの人なんでこの映画もある意味アイドル映画なんですけど、題材がヤンキーモノなのでアイドル色は全くなかったです。私、彼がアイドルだって言うのは後で知りましたもん。


 たとえ主役がアイドルでも、恋愛モノの主役じゃない限りはあんまりアイドルアイドルしない感じなのかも。Gメンだから特にアイドルオーラのない演出だったのかもですが。主人公の勝太は喧嘩は強いけど見た目は普通って設定ですからね。


 この映画の特徴は通常シーンの底辺男子高校生の生活と、喧嘩のシーン。常に巻き込まれ型なので、普段は本当に男子高校生の日常って感じなんですよね。そこがいい。って言うか、映画は原作エピソードを詰め込んでいるので、すぐに事件が勃発しちゃいます。テンポはすごくいいです。ダレる時間がない。

 喧嘩のシーンはリアルと言うより、ちょっと誇張の入った演出が入っています。思いっきり殴ったら思いっきり吹っ飛んだりね。そこを許容出来るかどうかは大事かも。みんなキレッキレに動いてカッコいいですよ。


 正直原作がそこまで大人気な作品と言う訳でもないので、よくいきなり映画にしたなーって思うんですけど、やっぱりお客さんの入りはそこまででもないみたいです。私が観た時もポツポツくらいでしたし……(汗)。

 ただ、ネットの評判はいいみたいなので、尻上がりで人気が出てくるのかも知れません。意外と女性人気もあるみたいなので、これには驚きましたね。やはり主演がアイドルだからなのかしら?


 正直序盤はギャグが滑ってましたけど、中盤からは上手く歯車が噛み合ってギャグも笑えるものがあったり、バトルシーンはマジでかっこ良かったので、ヤンキーモノが苦手な人にも楽しめるんじゃないかと思います。原作の雰囲気の再現度は高かったので、原作ファンには是非とも観て欲しいな。


 私はとても満足しました。伏線を残して終わったので、是非とも2以降も作って欲しいな。作れるくらいにはヒットして欲しいなあ。

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