ジョーカー

 話題(※執筆時)の映画、ジョーカーを観てまいりましたよ。舞台となったアメリカでは不審な人物が鑑賞していたり、殺人シーンで拍手するヤバい人が鑑賞していたりとエラい事になっていますけど、私が観た時は平和なものでした。ま、ここは日本ですしね。

 面白かったかと言うと、正直微妙なところです。少なくともスカッとする作品ではありませんね。後味が悪いのは悪党が主人公だからでしょうか。


 すっごく簡潔にこの作品の感想を書くと、この映画が訴えているのは銃の怖さです。いや、製作者サイドがどう考えているのかは分かりませんよ。ただ、私が感じたのは銃社会の怖さでした。

 少しだけネタバレになりますけど、主人公のアーサーが悪党になるきっかけ、それが銃なんです。銃さえなければ悪のカリスマは生まれなかったんですよ。いやあ、社会派作品ですねぇ。


 シリアスで重いトーンが貫かれているこの作品ですが、ジョーカーを普通の気の弱い精神に問題を抱えてる青年と設定したために、この先品、ジョーカーである必要ある? とも思ってしまうのですよね。

 まだ、ジョーカーに憧れた青年がひどい目に遭って精神を病んでいき、最後にサイコパスな悪党になってしまった、そう言う設定の方がしっくりくるくらいです。


 ジョーカーのイメージってほら、頭が良くて人をおちょくって本心を決して見せないって感じじゃないですか。幼い頃からある種の天才っぽい、そう言う才能を持っているような感じですよ。

 そう言う描写だったら、おお、これはまさにジョーカーだって思えるんですけどね。


 けど、映画のジョーカーはそうじゃない。何もかも吹っ切れてからは悪党の才能を見せるんですけど、そこまで丁寧に普通の人描写しているから、逆に吹っ切れっぷりに違和感を覚えてしまうくらいなんです。

 まぁ劇中で色々と酷い目に遭うので、それでおかしくなった、と言う捉え方も出来なくはないのですけど。


 これ、シナリオは映画オリジナルなのでしょうか? それともジョーカーって言う作品が既にあって、それをなぞっているだけ? 原作エピソードがあるなら忠実な映画化って事なのでしょうし、文句は原作に言えって事になりますねぇ。その辺り、どうなのかな?


 後、この作品、主人公の妄想と現実が同じ分量で描かれているんです。あれ? どこまでが本当でどこからが妄想なのかな? なんて途中で首を傾げてしまったり。

 とは言え、大抵、主人公に都合の良い展開は妄想なんですけどね。


 元々治安の悪い街って設定のゴッサムですけど、簡単に大規模で悪質なデモが発生するのってどうなん? みたいな急展開もちょっと受け入れ難い感じです。

 まぁ、そこはコミック原作らしいハッタリって事でいいのかな。こまけえ事はいいんだよっ的な。


 最初にも書きましたけど、この映画のキーワードは銃です。銃は人を狂わせます。いやはや、アメリカは怖いところじゃあ~。と、日本の片田舎に住むおっさんは思ったりしたのでした(汗)。

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