流行語 2016

 一年もいつの間にか師走に入り(※執筆時)年の瀬も差し迫り、慌ただしく過ごす中で今年もまた一年を振り返る企画が次々とボディープレスのようにアタックを開始しています。現時点での振り返り企画で一番話題になったのは流行語大賞あたりでしょうか。


 この流行語大賞、昔は微笑ましく眺めていたような記憶があるのですが、最近はどうもアレですね、あんまり面白くないですね。時代が下って万人が使うような言葉がなくなって来ているからなのかも知れません。

 ネットが普及する前はテレビが多くの人の話題の中心で、誰もがテレビで流行った言葉を日常会話に取り入れていました。流行語が仲間同士の会話をスムーズに繋げる潤滑油の役割を果たしていた事もあったでしょう。それもまた今に至れば懐かしき過去の思い出でしかないのです。


 何でしょうね、最近の流行語大賞。一部の界隈でしか流行ってない言葉が選ばれ続けています。ありていの言葉で言えば時代の流れなのでしょうけど、選考委員のセンスが露呈していると言うか、いっその事投票で決めた方がいいのでは?って意見も出ているようです。

 私としても流行語なのだからそもそも誰かが選ぶという形は不適切な気がしてきました。特別に意義のある言葉を選んでいる訳じゃないですからね。

 ただ単にその、今年流行った言葉を決めようっていうだけの実に下世話で下らない賞ですからね。本来、選ばれたからって権威なんてものはないはずなんですよ。


 あれですね、逆に言えば権威のあるようにしたいのかも知れませんな、選考委員のお歴々は。だからちょっと政治的な言葉も入ってしまう。世相を斬る!みたいな視点も入れたいのでしょう。自分達は大層な役割を担っているのだと、そう思いたいと。


 でも選ばれるのは飽くまでも流行語です。それ以上でもそれ以下でもない。ならば全ての言葉を平等に扱うべきであり、流行ってもいないのにこの言葉は特別な意味があるからと依怙贔屓はされるべきではないんです。そう言うのを入れたければ別の賞でも作ってそこで選ばれるべきでしょう。


 つまりまぁ騒がれた例の言葉、特殊な界隈では流行りましたけどね。アレは良くないなぁ。アレを取り上げるならまだ○○したの私だ!の方が良かったんじゃないかと思うんですよ。何であの言葉にしたのかと。選抜に選ばれるまでは良しとしてもランクインしてましたからね。アレって選考委員がこれはいいって選んだんでしょ。センスを疑いますよ。


 それに流行語って固有名詞は違うと思うんですよ。今年のは固有名詞がやたらと多かったですけど、作品名が流行語?って違和感を感じます。選ぶのが流行したモノ、と言うならそれでもいいんですけど……。


 政治的なものを排除した上で一番流行ったと言えば個人的には偶発的世界的ヒットを飛ばしたPPAPが妥当かなと思うんですけどね。私は好きでしたよ、ピコ太郎。Twitterで騒がれ始めた8月辺りに動画を見てすぐに面白いなって思いましたもん。


 そう言う訳で実態とかけ離れた流行語大賞に対し、ぴったり実態に寄り添ってると思われるのがJK流行語大賞です。そりゃJKと言っても地域差があるので全然知らないよって人もいると思うのですが、かなりのJKはその言葉を知っているものと思います。変な権威が絡んでいないからこそ実態に近い結果が出せたのでしょうね。


 恐ろしいのはこのJK流行語、身内内で流行るだけの言葉なのに多分来年はガラっと全ての言葉が入れ替わっているだろうって事ですね。JKの言葉の浪費っぷりパネェ!


 時間の流れが早いとされているネット界隈ってその点ネットスラングとか結構息が長いですよね。そりゃ10年前に生まれた言葉は淘汰されちゃってますが、5年くらい前の言葉が今でも現役です。ネット内の言葉の方が意外と言葉が長持ちしているのって考えてみたら面白いなぁ。


 最後に自分の中で今年初めて聞いた言葉で流行を感じたのは「しんどい」って言葉ですね。言葉自体は普通の言葉なのですが、ネット界隈、特にBL系の作品に対するコメント等に多用されるようになったのって今年に入ってからのような気がします。

 このしんどいと言う言葉、勿論本来の意味ではなく、何かを賞賛する意味で使われております。元々は芸人さんの言葉から派生したんではないかなって気がしているのですが、真相は分かりません。

 ネットの言葉は意外に息が長いので少なくとも今後数年間はこのしんどいって言葉が使われるんじゃないかなぁ。

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