第423話 解決のその後に

ちゅーとか、ちょっぴり大人な表現もある、かも?

そういうのいらん、と言う人は読まなくても大丈夫です。

飛ばしちゃってください。


*************************


 悪者達はその親玉であるオリアルド共々に連行され。アズランとファランはエルミナと共に王都のルキーニア公爵家へと向かい。

 妙にラブラブな雰囲気のアマルファとレセルファンも、皇帝陛下や皇太子殿下への報告の為に、風龍の姿に戻ったアマルファの背に乗って帝城へと帰って行った。


 アマルファの本当の種族は、折を見て皇帝陛下と皇太子殿下に明かすつもりなのだという。

 その情報をすべての者に公開するのか、限定的に公開するのかは、その2人に相談してからになる、レセルはそう言っていた。

 レセル本人は秘密を残してアマルファに窮屈な思いをさせたくない、そう考えているみたいだけれど。


 みんなが次々に去り、現場に残されたのは、シュリとシュリの愉快な仲間達、のみ。

 ちなみにタマは、アーズイールとルスファの元へ救助隊が到着した時点でタペストリーハウスに戻っていた為、事態が収束し、身内だけになった時点で再び呼び出していた。


 なのでシュリの目の前には、仮面を大事そうに抱えたジェスと、耳をぴんっとしてしっぽをわっさわっさと振る人型のポチ、相変わらず眠そうな目の、若干うとうとしかけている人型のタマ、そしてひもでぐるぐる巻きにされて地面に転がされている大人なイルルの姿があった。


 この後、シュリもルキーニア家の別荘に帰る予定だが、その前にちょっとだけ時間をとって今回頑張った面々にご褒美をあげようと思っていた。

 ただ、何をあげれば1番喜ぶのか。

 出来れば1番喜ぶものをあげたいし、とシュリは素直にみんなに尋ねてみた。

 今回のご褒美に何がほしい? 、そんな風に。

 それに関する答えは簡潔だった。



 「「「キスで!!」」」


 「山盛りのお菓子……いや、妾もちゅーじゃ!!」



 1人だけ若干違う答えを叩き出した子もいたが、どうして自分もご褒美をもらえると思っているのかが、まず分からない。

 なので、シュリはイルルについてはまるっとスルーして、



 「えっと、そんなんでいいの?」



 他の3人に問いかけた。



 「もちろんだ!! 我らはジュディス殿達シュリ専属の者達のようには気軽にキスをねだれないからな」


 「で、あります!! ジュディス殿達は立場的に仕方ないでありますが、正直うらやましい限りであります」


 「シュリ様と昼寝をするのもいいけど、それはいつでもできるし。やっぱキス一択」


 「そ、そうなんだ? えっと、だけど、別にジュディス達ともそんなにキスしてるわけじゃ」


 「してるぞ! 離れている今はともかく、屋敷の物陰や庭の木の陰でちゅーちゅーと」


 「ポチもよく見るでありますよ。1日1人1回は確実に!! あ、専属とはいえ、新入りのキキ殿は別でありますが」


 「ん。タマも見てる。シュリ様は気づいてないけど、ジュディス達は確実に気づいているはず。タマが見てると、見せつけるようにキスが激しくなる。正直、見ててムラムラする」


 「そ、そっか。はは……」



 愛の奴隷達とは確かに、1日に最低でも1人1回はキスをする。

 諸々の人には言えない事情もあり、仕方ない事ではあるのだが。

 でもそんなにバレバレとは思っていなかった。


 彼女達の方は、見られていることに気づいている事もあるみたいだから、そうやって見せつけるのは確信犯的な意図がありそうな気がする。

 これからは彼女達が求めるまま求める場所で致すのは危険かもしれない。

 最低限、周囲から見つからない措置をとった方がいいかもなぁ、なぁんて考えつつ、



 (屋敷の空き部屋を使うようにしようか。あるいは、タペストリーハウスの中の一室をそれ専用にしちゃう? でも、密室に2人きりでキスをするのも危険な気がするんだよね……)



 一応対策を考えてみるものの、実行したら密室で押し倒される未来しか見えない気がした。

 ちょっぴり遠い目をして小さくため息をつき、それから改めて目の前の面々に視線を戻した。



 「じゃ、じゃあ、3人ともご褒美はキスでいいの? もっとなにか、形に残るものでもいいんだよ?」


 「「「いや、キスで」」」


 「3人? 4人の間違いじゃろーに。シュリはお茶目さんじゃな~」



 きっぱりキスがいいと答える3人。

 転がってる真っ赤なイモムシさんがどうしてご褒美をもらえると思いこんでいるのか、そのポジティブすぎる精神構造には疑問しかない。



 「そう? まあ、3人がそれでいいなら僕は別にかまわないけど」


 「キスがいいんだ! 私にとってはシュリとのキスは貴重だからな!!」


 「同感であります!! シュリ様といつもキスをしたいと思っていても、何かきっかけがなければおねだり出来ない……それがキスであります!!」


 「ん、その通り。一緒に昼寝と違ってキスはハードルが高い」



 そんなもんかなぁ、と思いつつ、シュリは曖昧に頷く。

 正直、シュリの中のキスへのハードルが異常に低いだけなのだが、シュリはもちろんそんなことには気づかない。

 愛の奴隷達が努力して、シュリに違和感を感じさせることなく少しずつ下げてきたハードルなので、そう簡単に気づかれても困るのだろうけれど。



 「わかったよ。本当にキスでいいんだね」


 「あ、キスといってもただのキスじゃダメだぞ。気持ちを込めた思いっきり濃厚な、腰が抜けるくらいのやつじゃないとダメだ。納得できないキスなら、いつでもキスを要求できる権利を頂くからな!」



 顔を赤くしたジェスの主張に、



 (僕はいつもどんな時でもキスに気持ちを込めてるけどな~。まだまだ努力が足りないってことか。じゃあ、ご要望通り、ジェスが腰砕けなキスを頑張ろう。いつでもキスを要求出来る権をあげてもいいけど、そんな権利をひょいひょいあげてたら、そのうち僕の1日がキスで終わる羽目になりかねないし。それはちょっとなぁ)



 シュリはそんなことを考えつつ、わかったよ、と頷いた。



 「ポチは熱々なキスをお願いするであります。耳とか尻尾もなでなでしてもらえたら嬉しいであります」



 ジェスにつられたのか、もじもじしながらポチも主張してくる。



 (熱々なキス、かぁ。でも、キスしながら撫でるのは、耳はともかく、尻尾は手が届くかなぁ)



 まあ、努力はしてみよう、とこのお願いにもまた、シュリは快く頷いた。



 「いつもシュリ様がジュディス達にしているような、ねちっこくてどろどろなヤツ。耳も尻尾もおっぱいももみくちゃにして、タマを吸い尽くすくらいの気持ちでヤってほしい」



 タマの要望に、シュリはひくりと頬をひきつらせる。



 (ねちっこくてどろどろ……なんかやだ。耳と尻尾とおっぱいは、まあ、努力でどうにかするとしても、タマを吸い尽くすのは無理だよ)



 頑張る気持ちはタダだから、と己に言い聞かせつつ、シュリはちょっと疲れた顔で、タマの要望にも一応頷いておいた。



 「妾は……妾はの~。せっかくアダルトボデーじゃし、たまには妾がシュリをりーどしてみようかの~。妾の魅力でシュリをめろめろにしてやるのじゃ」



 イモムシなイルルも鼻息荒く参加してくるが、



 (イルルは、うん。放っておこう)



 シュリは再び彼女の主張を華麗にスルーして、シュリのキスを座して待つジェスの前に立った。

  座っているジェスの顔は、立っているシュリの顔の位置より少し低いところにあり、その理想的な高低差にシュリは思わずにっこりする。

 いつか普通にしててもこれくらいの身長差を手に入れてみせる、と心の中で拳を握りつつ。


 今は小さくとも、あと数年して成長期がくれば、身長だってにょきにょき伸びて男らしくなるはず。

 シュリは己の秘められたポテンシャルを信じていた。

 だが、今は己の将来に夢を見ている時間ではない。

 シュリの為に頑張ってくれたみんなへのご褒美タイムだ。

 みんなの求めるご褒美がキスだけ、というのはちょっと拍子抜けだが、せめてみんなが満足してくれるように心を込めてキスをしよう。


 そんな気持ちを胸に、シュリはジェスの頬へと手を伸ばす。

 指先が触れるとぴくりと震える彼女の反応が可愛くて、シュリは唇をわずかに微笑ませる。

 唇の形もそのままに、シュリはゆっくりとジェスの唇に自分の唇を押し当てた。

 そしてそのままじらすような触れるだけのキス。唇の角度を変え、触れ方を変え、じっくりと。指先で彼女の耳や頬、首筋を愛撫しながら。



 (僕的にはこれでも十分気持ちがいいんだけどなぁ)



 なぁんて思いつつ、じれたジェスがもっと欲しいと求めてくるのを待つ。

 でも、それほど待つまでもなく、ジェスの手がシュリの髪の間に滑り込んでくるのを感じ、シュリはそれを合図に攻勢を強めた。

 触れ合う唇の角度を深くし、ジェスの唇の隙間から舌を差し入れる。



 (といっても、こういう大人なキスも、好きだけどね)



 ちょっぴり子供らしからぬことを考えながら、シュリはジェスの唇と舌の甘さを味わう。

 彼女を存分に蹂躙し味わった後、シュリはゆっくりと唇を離してジェスの瞳を見つめた。

 熱のこもった瞳が、もっと欲しい、とシュリを求めていた。



 「もっと?」


 「……もっと」



 甘い吐息と共に漏れ出た求めに応じて、シュリは再びジェスの唇を奪う。

 キスの合間にジェスの口から漏れる濡れた声が、シュリの脳を刺激して、その口づけを更に激しいものへと誘っていく。

 ジェスもまた、柔らかなシュリの手が髪や頬、耳や首筋を触れる甘美な心地よさに酔いしれながら、激しくも甘いキスの与えてくれる快感に背筋を震わせる。


 もう少しでなにかがきそうだった。

 しかし、シュリはそろそろキスの時間を終わらせようとしているらしい。

 そう察したジェスは、離れていこうとしているシュリの唇を慌てて追いかけた。

 すがりつくようにシュリの頭の中に差し入れた手が滑って、指先がシュリの首筋をこする。



 「っん」



 それは小さな声だった。

 常にジェスを追いつめていたシュリの漏らしたほんの小さな甘い声。

 それが耳に届いた瞬間、ジェスの背筋を甘い快感が駆け上った。

 声にならない悲鳴をあげて、ジェスが背筋をぴんと伸ばし。

 次いでその体からくたりと力が抜けるのがわかった。


 甘くも激しいキスに満足してくれたらしいジェスの、くったりとした体を抱き留め、シュリは彼女の体を床に横たえる。

 どうやら気を失ってしまったらしい彼女は、非常に満足そうな顔をしていた。



 (どうにか満足してもらえたみたいでよかった)



 ほっとしつつ、



 「次はポチの番であります!」



 尻尾をぶんぶん振りながら床に正座するポチの前に移動する。

 ポチはジェスより背が高いので、ジェスの時よりも顔の距離が近い。



 (ん~と、ポチは耳と尻尾も触って欲しいんだったよね)



 ポチの要望を脳内で確認しつつ、キスをしながら触れるかどうか、目で位置関係を確認しておく。

 耳は問題ない。でも尻尾は微妙だ。

 頑張れば触れるかもしれないが、それだとキスから気がそれてしまいそうな気がする。

 シュリはう~んと考えながらポチを眺め。あることを思いついてぽむっと手を叩いた。



 「ポチ、座ってる足の間に尻尾を入れられる?」


 「足の間に尻尾を?? こう、でありますか?」



 よいしょっ、と腰を上げたポチは、腿と腿の間に尻尾を挟み込むと、もう1度さっきのように腰を下ろした。

 その間にシュリは靴を脱いで靴下を脱ぎ。



 「こっ、これはなかなか。尻尾が内ももにこすれて何とも言えない感じであります。わ、我が尻尾ながら、罪な動きを、するであります」



 己の尻尾で内ももをさわさわと触られて微妙な顔をしているポチの、わさわさしている尻尾の上に素足をそっと下ろした。

 そしてそのまま、足の裏で彼女の尻尾を撫でるように、2、3度往復させてみる。



 「足でごめんね、ポチ。でも、どうかな? これ」


 「ひゃう!?」


 「あ、ごめん。痛いかな? そんなに強く踏んだつもりはないんだけど」


 「い、痛く、はないであります。む、むしろ、その、気持ちいい、というか」


 「気持ちいい? ならいいね。じゃあ、はじめようか」


 「シュリ様? ちょっとまっ……んっ」



 にっこり笑ったシュリは、ポチの声の続きと共に唇を奪う。

 ポチの後頭部に手を差し入れて支えつつ、まずは彼女の唇と舌を甘く蹂躙した。

 いきなり耳や尻尾への愛撫も始まると思って構えていたポチは、仕掛けられたのが比較的穏やかなキスと分かって、ほっとしたように体の力を抜く。

 それを感じ取ったシュリは、絶妙のタイミングで片方の手をポチの耳へと伸ばし、足をふるふるする尻尾の上に滑らせた。

 キスで声を封じられたままのポチが体をびくんと震わせる。



 (よし、タイミングばっちり)



 ポチの素直な反応に心の中でガッツポーズをしつつ、最高のご褒美の為に口づけに熱を込め、手で耳をさわさわ触る。

 愛撫、というか、ただ単にもふ耳を愛でているだけ、といった感じなのだが、それで十分に気持ちいいらしい。

 まあ、撫でてる方のシュリの手も幸福感にあふれている。

 更に言うなら、足に感じるポチの尻尾のふさふさ感も素晴らしかった。


 しっかり手入れされたその尻尾は、程良い弾力と柔らかさをシュリの足へ伝えてくる。

 出来れば、顔を埋めて両手も使い、わしゃわしゃ愛でたい所なのだが、ご褒美キスの真っ最中ではそれもままならず。

 シュリは不完全燃焼なその気持ちを、己の右足にすべて込めた。



「わ、わふぅ。し、しっぽ……いい、であります」



 キスの合間にポチがとろけきった声をあげる。



 「しっぽ、いい感じ? 良かった。あ、でも、もしかして耳が足りない?」



 シュリは微笑み、だがすぐにポチが尻尾にしか言及しなかった事実に気づき、耳への愛撫の割合を多くする。



 「みっ、みみもじゅうぶん、気持ちいいであります、よ」


 「あ、キスか! 大丈夫!! キスも忘れてないよ」


 「きすもじゅうぶ……んんっ」



 キスも十分気持ちいい、そう言いたかったであろうポチの声ごと、再び彼女の唇を己の唇でふさいだ。

 ポチの気持ちのいい所を的確にえぐるようなそのキスに、ポチはあっという間に追いつめられていく。

 ポチの手がシュリの服をぎゅうっと握り、足の下のポチの尻尾の毛がぶわっと膨らんだのを感じたその瞬間、

 声にならない甘い悲鳴をあげて、ポチもまたくたりと崩れ落ちた。

 そして床に伏せたまま、ポチはすっかり目を回してぴくぴくしている。

 なんだか辛そうな姿勢なので、楽な姿勢に直してあげようとしたのだが、シュリの手が触れるとそれだけでびくんびくんなる彼女の体に、それも難しそうだと諦め。

 ポチをその場に放置したままシュリは最後のご褒美を与えるためにタマの前に立った。



 「ジェスもポチももはや廃人……シュリ様、恐ろしい子」



 有名なマンガの有名なフレーズを聞いた気がするが、タマがそれを知っているはずもないし、シュリはその台詞をそっとスルーする。

 だが、そんなシュリは知らない。

 この世界には、シュリが思う以上に他の世界の文化が入り乱れているということを。

 BL文化が入り込んでいるのに、少女マンガの文化が入ってきていないはずもなく。

 かのマンガも、他のマンガも、熱烈なファンの手によりこの世界でこっそり売り出されていたりする。

 まだマニアに向けたごく限られた市場でのみだが、それが広まるのも時間の問題だろう。

 シュリがその事実を知るのも、そう遠い未来の話ではないに違いない。



 「ジェスもポチも不甲斐ないのぅ。ここは妾が一肌脱いで、シュリをのっくだうんしてやらんとの。妾の大人なちゅーで、シュリをめろめろにしてやるのじゃ」



 縛られたイルルが自分とシュリのキスを妄想してくねくねしているが、シュリはあえて目をそらしてタマを見つめた。



 (えっと、タマは、耳と尻尾とおっぱいも、かぁ。単純に手が足りないし、そうじゃなくてもタマのおっぱいは僕の手に余るんだよなぁ。すごく大きいから)



 こういうとき、早く大人なボディーが欲しいと思う。

 少なくとも、前世の体のままであれば、手足も長いしそこそこ器用だし、タマの要望を余すことなく叶える事が出来ただろう。

 まあ、女子の体では、みんなが最終的に求めるものは与えようもないけれど。


 といっても、女同士は女同士で色々やりようがあるものだ、と前にすごく酔った桜がぽろりとこぼしていたが。

 試してみる? と問われた時の桜の眼差しは今でも時々思い出す。

 あの時は自分も酔っていたし、思わず頷いてしまいそうになったが、その前に桜が笑い飛ばしてくれた。冗談だ、と。


 悪い冗談だ、と気を悪くしたように頬を膨らませてみたが、ほっとした気持ちもあった。

 その気持ちの更に奥に、少しだけ残念に思う気持ちもあったような、気もするけれど。

 なんにしろ、もう昔の話だ。

 今は目の前のタマを満足させることだけに集中しなければ。


 感傷的になってしまいそうな気持ちを振り払って、シュリはじいっとタマを見つめた。

 彼女の準備は万端だ。

 ポチの様子を見て学習したのか、尻尾もちゃんと足の間を通して前に出している。

 ふぁさっとボリューミィな尻尾を見ていると、そのまま飛び込んで顔を埋めたくなるが、シュリはそれをぐっとこらえて、タマの頬に手を伸ばした。


 いつも通りの眠そうな瞳の奥にくすぶるのは欲望の光。

 それに気づいたシュリは思わず微笑んで、それからゆっくりとタマの唇を奪った。

 まずはスタンダードに。

 ポチにしたように、キスをしながら耳と尻尾を可愛がる。


 そうやってタマをじらしつつ高めた後に、シュリは次なる目的をロックオンした。

 タマの、立派すぎるくらい立派な2つのお山の片方に。

 欲張っても仕方がない。攻略は片方ずつ。

 そう己に言い聞かせつつ、はだけた服からぽろりした(いや、させた)おっぱいに唇を押し当てた。



 「き、きすで油断させておいておっぱいにくるとは……。さすがシュリ様」



 タマの感嘆に満ちた甘い声を聞きながら、シュリは容赦なくタマの胸にディープなキスをかます。

 幼い頃、ミフィーやマチルダのおっぱいに親しんでいた頃を思い出しつつ戯れていると、口の中にじんわりと懐かしい味わいが広がった。

 いつものやつかぁ、と思いつつ、タマの魔力が作り出した母乳の味を楽しみ、甘い声の響きを耳で味わう。

 そして、片方のおっぱいを味わい尽くした後、もう片方の胸にも手を伸ばした。



 「さ、更に攻撃を仕掛けてくる、とは。た、たまのHPは、も、う、レッドゾーンに……」


 「……限界?」



 途切れ途切れに訴えてくるタマの声に、シュリは意地悪く問いかける。限界ならもう終わりにしちゃうよ、と。

 シュリの言葉に、タマはじれったそうに体を揺すった。

 その揺れにつられて大きな双球もふるん、と揺れる。

 シュリを、誘うように。



 「か、片方だけ、なんて。シュリ様、は、鬼畜、すぎ」



 唇を尖らせるタマをなだめるように、シュリは手を伸ばしてタマのもう片方の胸を撫でる。



 「鬼畜? そんなことないよ。僕はタマの言いなりだもん。どうして欲しい? 言ってごらん」


 「もっと……」


 「もっと?」


 「タマのおっぱい、気持ちよく、して、ほしい」


 「気持ちよく? こう?」



 シュリは手のひらをタマの胸の上で滑らせ、唇を落とす。

 巧妙に彼女が求めているであろう場所を避けて。

 その愛撫を受けて、タマはじれったそうに胸を揺すった。



 「攻撃点を微妙にずらすとはこしゃくな……」


 「違う? じゃあ、どうすればタマは満足?」


 「シュリ様、ほんと、鬼畜」


 「人聞き悪いなぁ。もういいならやめちゃうよ?」


 「だめ。やめたら怒る」


 「怒られるのはやだなぁ」



 言葉で戯れつつ、タマのたわわなお胸とも戯れる。

 そんなシュリの攻撃に、タマは甘い声で応えつつも、



 「タマが何が欲しいか、分かってるくせに」



 そう言いながら再び唇を尖らせた。

 その唇がキスをねだっているように見えて、思わずキスをしたくなったが我慢する。

 今はタマのおっぱいに向き合う時間だ、と己に言い聞かせて。



 「分からないよ。ちゃんと教えて?」


 「だから、ここ!!」



 焦れたようにそう言って、タマはとうとう実力行使に出た。

 胸にぎゅっと顔を押し付けられ、シュリの唇にはタマの望む場所が押し当てられる。

 条件反射のように吸い上げれば、湯水のように魔力の母乳が溢れ、シュリの口の中を満たしていく。

 シュリはそれを飲み下しながら、舌先で乳首を刺激し、そしてまたじゅっと吸い。

 タマはあっという間に臨界点を突破した。


 尻尾がぶわっと膨らみ、悲鳴のような甘い声をあげ、胸に吸いついたままのシュリをぎゅうっと抱きしめた後。

 不意にタマの全身からくたりと力が抜けた。

 気絶しちゃったみたいだ、と察し、タマの乳首を己の口の中から解放したシュリは、タマのおっぱいを再び服の中へ押し込んでから、ふぅ、と額の汗を拭う仕草をした。

 これで任務完了、とばかりに他の面々の様子を伺う。


 イルルは……ちょっと色々刺激が強かったようで、鼻から赤い情熱をこぼしたまま失神していた。



 (鼻血を垂れ流したまま気絶するとか……まあ、イルルらしいといえばイルルらしいか)



 仕方ないなぁ、と苦笑し、取り出した布で顔を汚している血を拭った後、それ以上流れでないようにと、イルルの両方の鼻にせっせと布を詰め込んでいると、



 「しゅりぃ……」


 「しゅりさまぁ……」



 背後から妙に熱気をはらんだ気配が2つ、近づいてくるのを感じた。

 いやな予感を感じて振り返る。

 すると、そこには……



 「私の」


 「ポチの」


 「「おっぱいもたべてくれ(たべてほしいであります)!!」」



 声をそろえる発情しきった顔の女子が2人。



 (あ~……ちょっとやりすぎた、かな?)



 ひくり、と顔をひきつらせるがもう後の祭り。

 その後、更に2人分の母乳をたっぷり飲み、たぷんたぷんのお腹を抱える羽目になるシュリなのだった。


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