第六十八話 顔合わせ
※2017/10/17 内容を一部変更しました。
「初めまして。いずれシュリ様の専属秘書になる予定のジュディスよ」
「こちらこそ、初めまして。近いうちにシュリ様の専属メイドになる予定のシャイナです」
二人の間に、静かな火花が散っていた。どっちも笑顔だが、目が笑ってなくて何とも怖い。
シュリは二人の顔を交互に見上げながら思う。
どうしてこうなった?と。
念話で話している内は、二人ともそれなりに和やかに話していた様に思う。
で、なんとかお互いの予定をすり合わせ、ジュディスが手を回してシャイナがシュリを散歩に連れ出す算段を整え、カイゼルの職場見学という大義名分の元、ジュディスがいる領主館で落ち合った。
因みに、大義名分として利用された当のカイゼルは、ジュディスに仕事を押しつけられて領地の巡察に出ている。
ジュディスはあらかじめ打ち合わせをしておいた通りに、見学にきたシュリが疲れた様子を見せたと言い張り、準備しておいた客室へシュリとシャイナを連れ込んだのだった。
そこでジュディスが用意してくれていた飲み物を飲んで一息。
さて、お互い自己紹介しようかと言うことになり、今の状況に至る。
シュリはきゅううっと首を傾げる。
ほんとに、なんでこんな事になってんだろう、と。
二人が争うような理由なんてあっただろうか。
まあ、シャイナの素性はジュディスからしたら面白く無いものかもしれないが、そこの所は実はまだはっきりとは話していない。
ジュディスにはこう告げたのだ。
ジュディスと同じ様な立場の人がもう一人出来たから紹介したい、と。
後、どうやら自分と敵対する相手が居るようなので、その件についても3人で相談しよう、と、まあ、そんな風に。
(なにがいけなかったんだろうな~)
シュリは困り顔で二人を見る。
「で?シュリ様からは、私と同じ様な立場の人物と紹介があったけど、それってどんな立場なのかしら?まさか、もう、シュリ様のお情けを頂いたの?」
そんな高圧的なジュディスの言葉を受けて、シャイナが負けじと胸を張る。
(……うん。おっぱいはややジュディスが優位かな)
ついつい目に入った二人のおっぱいを目の前にそんな感想を胸の内に思い浮かべる。
まあ、どちらも生で見たことがある身としては、二人とも甲乙つけがたい良いおっぱいだと言わざるを得ないが。
「もちろんです。シュリ様は大変優しく奪って下さいました」
そう答えて、シャイナはぽっと頬を赤らめて、何とも色っぽい流し目でシュリをちらりと見つめた。
その時の事を思い出したのか、ちょっと太股をもじもじさせながら。
そんなシャイナの言葉にジュディスが食いついた。
「奪う?それってもしかして、入れていただいたってこと、なのかしら」
目をつり上げ、シャイナに詰め寄りながらシュリをチラチラと盗み見る。
シュリを、と言うより、お洋服に包まれたままのシュリの可愛らしい[ぷち・まぐなむ]を、だ。
そんなジュディスを見つめながら、シャイナは勝ち誇ったように鼻をふくらませた。そして答える。
「当然です!ばっちり入れていただきました!!」
その言葉に衝撃を受けた様に、ジュディスの体が床に崩れ落ちた。
「そ、そんな。私だってまだ入れていただいてないのに……」
どよーんと、そんな効果音が聞こえてきそうな程に落ち込んだ様子のジュディスに、シュリがなんとか慰めようと近づいていくと、不意に、
・ジュディスの悲しみが基準値を上回り、状態異常を引き起こしました。
そんなアナウンス。
うそぉ、まじで!?と慌ててステータス画面を開けば、
・愛の奴隷[ジュディス(100%)(充足度:15%)(状態異常:悲しみ)]
となっていた。
因みにシャイナの方は、
・愛の奴隷[シャイナ(100%)(充足度:45%)(状態異常:なし)]
と特に問題はなさそうだ。
とにかく今はジュディスをなんとかせねばと、近づき顔を見上げる。彼女は割とガチで泣いていた。
「じゅでぃ?」
手を伸ばし、彼女のほっぺたを撫でれば、ジュディスは涙も鼻水もダダ漏れ状態のまま、
「しゅ、しゅりさまぁ。なんで私には入れてくれないんですかぁ??私の方が先なのに、ひっ、ひどいじゃ、ないっ、ですかぁ」
ひぐひぐと泣きながらそんな主張をしてくる。
そう言われてみれば、彼女には確かに、その、入れてない。
だが、言わせて貰うなら、シャイナとした時のあの状況は偶然の産物だったのだ。
あえてシャイナを選んで入れた訳ではなく、どちらかと言えば入れざるを得ない状況だった。
だが、そんなことをジュディスが知るはずもなく、彼女は自分の方が先にシュリと出会ったのに、後から出てきた女に先を越されたとひどく悲しんでいた。
しかし、ここに少々食い違いがある。
ジュディスは当然、シュリがシャイナにぶち込んだのはどうにかしてビッグになったシュリの[ぷち・まぐなむ]の事だと思っていた。
だが、事実は違う。
シュリがシャイナにインサートしたのは、あくまでしっぽであってアレではない。
だが、シャイナがナニを入れていただいたのかはっきり明言しなかったため、不幸な誤解が生まれた。
シュリは何とかジュディスを宥めようと、念話で話しかける。
(あ、あのね、ジュディス。入れたって言っても、アレはたまたまと言うか、偶然の産物というか)
(たまたま……)
(そう、たまたま!たまたまなんだよ。ね、シャイナ)
(まあ、そうですね。シュリ様があの状態の時に、私がご一緒出来たのは確かに偶然ですし、たまたま、といえば、たまたま、でしょうか)
必死に同意を求めるシュリに、シャイナはしぶしぶながらもそれを認めた。
しかし、ジュディスの誤解はまるで解けていなかった。むしろ状況は更に悪くなったと言ってもいいだろう。
(……なるほど。理解しました)
(えっと、分かってくれた?)
(ええ。つまりはこう言うことですね?生理現象でたまたま大きくしてしまったシュリ様の前に、たまたまその女がいた。そして、シュリ様はたまたま美味しく頂かれてしまった、と)
(はい?生理現象で大きくって、流石に無理でしょ?その設定は)
またまた冗談をとひきつった笑みを浮かべるシュリを、ジュディスが座りきった目で見つめた。
(私も彼女も同じ様な立場の者と言うことは理解しましたし、納得もしましょう……)
(えっと、そう言ってくれると助かる……)
(でも、不平等はダメです!!)
(んん??)
(彼女に入れたのなら、私にも入れてくれなきゃダメです!!)
だだをこねるような彼女の声が頭に響き、気がつけばシュリの体は優しく仰向けに寝転がされていた。
「うぉ??」
そんなシュリを、赤い顔をしたジュディスが真上から見下ろしてくる。
シュリは不思議そうに彼女を見上げた。
ジュディスは舌先で唇を舐め、そして、
「大丈夫、私が大きくしてあげます。いえ、絶対に大きくしてみせます!!」
なんと反応して良いか分からない宣言をし、あれよあれよという間にシュリを丸裸にひんむいてしまった。
(ちょ、ジュディス!?無理だって!!おっきくなんないから!流石に、年齢的にも!!!)
シュリが叫ぶがジュディスはそれを聞き流して顔を近付けてくる。
シュリの股間でぷるぷる震える、小さくて可愛らしい[ぷち・まぐなむ]に。
「大丈夫。私に任せて……」
彼女のそんな声が聞こえた次の瞬間、シュリの股間はぬるりとした柔らかで暖かなものに押し包まれていた。
(んぅっ!?)
(おぉ!!)
シュリが呻き、シャイナが鼻息も荒く身を乗り出してジュディスがシュリの分身を舐めしゃぶる様子を見つめる。
ジュディスの業は何とも巧みであった。
正直気持ちいい。気持ちいいのだが、シュリの年齢的におっきくもならなければ、出すことも出来ない。
気持ちいいのに登り切ることが出来ず、はっきり言って蛇の生殺し状態だった。
(ジュディス……んっ、無理、だよ。おっきくならないって……)
(一度は大きくなったんですから、絶対に大きくなります!してみせますとも!!)
(んぅ、だっ、だからぁ、それは、ご、誤解……誤解、なんだって)
(誤解?)
ジュディスは片時も奉仕の手を緩めることなく、念話でシュリと会話をする。
シュリは、ジュディスにあの姿を見せることを決意した。
恥ずかしいが、そうしなければ、どうにも収まりそうにない。
(はぅ、んんっ……そう、誤解。い、今から、ジュディスの誤解、を、っう、とく、から。よく、見てて?)
どうにかこうにかそう伝えて、シュリはスキルの発動を念じる。
そのスキルはもちろん、アレ、である。
シュリの体が淡く光り、驚いたジュディスは思わずシュリから口を離していた。
そんな彼女の目の前で、シュリは劇的な変化を遂げていく。
銀色の髪の合間からは猫耳が、ぷりっとしたお尻からは長くてしなやかなしっぽが。
その姿は何とも愛らしく、そして何とも破壊的だった。
「~~~~~~~~っっっ!!!」
その姿を目の当たりにしたジュディスの口から、声にならない悲鳴がもれる。
「じゅでぃ?」
そんな彼女を見上げ、シュリがきゅっと首を傾げた。
頬をほんのり上気させて、さっきまでジュディスの口の中にあった分身をしっぽで上手に隠すようにしながら。
だが、呼びかけたのにジュディスからの返事がなく、不思議に思っていると、ぐらりと彼女の体が傾いだ。
もちろんその落ちる先にはシュリの体があり、
(やばい、つぶされる!?)
と思った瞬間、シュリはふわりと抱き上げられていた。近くで二人の行為を鼻息荒く見守っていたシャイナの手によって。
「しゃいな、ありあと」
ほっとしてお礼を言うと、彼女はクールな目元を優しく細め、それから突っ伏したジュディスに視線を移した。
「見事なまでに、気絶してますね。シュリ様のこのお姿の破壊力にあらがいきれなかったのでしょう」
彼女はしみじみとそんな言葉をこぼし、そして再びちらりと腕の中のシュリをみて頬をほんのり赤くする。
「ですが、まあ、不甲斐ないとは言いますまい。ある意味仕方のないことです。正直言って……」
「??」
そこで一度言葉を切り、彼女は慎重にシュリから目を反らした。
「私も一度見たことがなければ、危ないところでした」
そう言って、彼女はきっぱりとシュリの猫耳姿を危険物指定したのだった。
その後小一時間ほど、ジュディスの意識が戻ることは無かった。
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