第3話 委員会活動
図書委員という委員会はいろいろある生徒会の活動の中で一番に「地味」な委員会である。やることと言ったら本の貸し出しと返却された本を元の場所に戻す。
あとはまあ月一回の図書新聞の作成だけだった。
あとは司書の倉田さんという50代の女性とお菓子を食べながら世間話をする。
三人が委員会に入る前は図書館を訪れる学生もまばらで、いつも通りの学生しか借りに来なかった。それが、、である。
「一年生の可愛い女の子が3人もいっぺんに図書委員になる」というのは学生に、特に男子学生にとっては衝撃であった。
江戸時代、「笠森おせん」という茶屋の娘がいて、その姿が浮世絵になり、男がみんな「おせん」の顔を見たくてその茶屋に通ってお腹いっぱいお茶を飲んだ。と聞いたことがあるが、今回は「おせん」ほどのすごい美人ではないが、隠れファンも多い女子三人だから大変だ。
図書館が毎日混雑して、貸出は大忙し。猫の手も借りたいほどだった。
女子はそんな男子の事をよくは思うわけはない。でも聞き捨てはできない。
文句の一つでも言おうといやーな顔をして図書室に行くと「山田先輩」をみつける。
山田先輩の微笑みに頬が赤くなる。
それもあって女子が悠美達3人のあとに7人が図書委員会に入り、(男子もその後、女子につられて5人入った)今まで5人と倉田さんでやっていた図書委員会も20人の大所帯になった。
図書委員会としてはうれしい限りだが結果として悠美達3人のこの行動はライバルを増やすという皮肉な結果をもたらした。
でも、そこは女子、なんだかんだで結束している。
「ねー夏休み花火大会に行かな~い?」と一人の女子がいえば
「いいわね、」「いこう、いこう」となり
男子たちもこれに混じり、(割り込みといったほうがいいのか)みんなで花火大会の話で盛り上がる。
若い女性の声を黄色い声というが声に色がついてるわけではない。が、若い女性たちの声はその場を明るくした。
花火大会の話で盛り上がっているところに「山田優希」がやってくる。
「楽しそうだね。何かあったのかい?」
女子はもじもじしだす。
バンっとまたもや、(くどいかな?)香が机をたたいた。またまた大きな胸がゆれる。
「せ。先輩。夏休み。私たちと花火大会いきませんか?」
「いいよ。」っと優希が軽く答えた。
「キャー」女子たちは歓喜し、男子たちは舌打ちした。
ともかくも彼らの夏が始まろうとしていた。
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