第26話  気まぐれ天使と悪戯な小悪魔








 ある日、ふと思った。



 「気まぐれな天使ちゃんと、悪戯な小悪魔ちゃんが降臨したらどうなるだろう?」



 そんな事を口走れば、親は嘆き悲しみ心の病院へ連れて行こうとし、親類縁者からは絶縁を伝えられ、友人知人とは疎遠になってしまうと言う事は、想像に難くない。



 だが安心して下さい。



 親にはすでに諦めていて、親類縁者とはすでに付き合いも乏しく、友人知人なんてものは遠い昔に置いてきてあるのであるから、今さら何も恐れる事はないのであるし、これはただの創作の話しである訳なのだから無問題である。



 ライトノベルの基本は「ハーレム」であり、「ハーレム」はライトノベルであると言って間違いないと学会で語られるほどであるから、これはすでに規定事項である。



 後は主人公を取り巻くヒロイン達の属性の問題であるのだが、極論すれば二つであると言えるだろう(個人の感想です。結果を保証するものではありません)。

 

 それは「天使」と「悪魔」である。



 「メガネっ子」とか「ドジッ子」に「委員長」などと言う細分化されるものはそれぞれの個性であって、バリエーションでしかない。



 「妹」「お姉さん」「となりの若奥様」などもあるけれど、それも以下同文である。



 「天使」とは、主人公に道を指し示し、癒しと幸福を与えてくれる存在である。



 「悪魔:とは、主人公を惑わせて、破滅に向かわせる存在であると言える。



 そして「小悪魔」とは、主人公は自ら進んで惑わされられ、破滅しようと構わないと思わせる存在である事間違い無しであり、破滅すらご褒美である。



 「気まぐれ天使」はその名の通り気まぐれであって、オレンジロードであり、天使の気まぐれな言動に主人公が振り回されて喜びを感じてしまう神秘性であった。



 「気まぐれな天使」であろうが、「悪戯な小悪魔」であろうが、そんなS気の強いヒロインに対抗する事が出来るのはM男的主人公であると主張する。



 ヒロイン達に危機が迫ると、主人公はその身を投げ出し、天使ちゃんに小悪魔ちゃんを守って恍惚の笑顔で言うのである。



 「ありがとうございますぅ~っ!!」



 もうこれはライトノベルで良いのか解らなくなってしまうのだけれど、むしろこれが新機軸となりうる可能性を秘めていると言えなくもない事態である。



 来たか、俺の時代!



 と、思ったところで、きっと誰かがすでに書いているんだろうなと思って筆を置く。

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